郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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衆院選山形3区
4陣営、支持拡大へ動き加速
戦いの構図固まる

 第48回衆議院議員総選挙は10日の公示(22日投開票)が目前に迫った。山形3区は再選を目指す自民党前職の加藤鮎子氏(38)に、国政復帰を狙う元職で希望の党公認の阿部寿一氏(58)、共産党新人で前鶴岡市議の加藤太一氏(66)、政治団体幸福実現党新人の城取良太氏(40)を加えた計4人で議席を争う見通し。野党再編を巡る不透明感から、流動的な要素を残していた戦いの構図も、ここにきて固まった。山形3区は保守分裂選挙となった前回選(2014年12月)から、与野党対決の色合いが強い戦いとなりそうだ。

阿部氏希望の党から立候補

 民進党が小池百合子・東京都知事率いる新党「希望の党」との合流を決めたことを受け、民進党の推薦が決まっていた阿部寿一氏は3日、希望の党の第一次公認候補となり、同党から立候補する意向を表明した。
 阿部氏はこの日、山形2区から立候補を予定する前職の近藤洋介氏(52)、山形1区から立候補を予定する新人の荒井寛氏(44)と新庄市内で記者会見に臨んだ。近藤、荒井の両氏も希望の党の第一次公認候補となり、同党から立候補する予定。
 会見の席上、阿部氏は希望の党からの立候補を決断した理由について「思っていることを実現するために、希望の党へ入党し、公認候補となることも考えるべきという意見をいただいた。近藤氏、舟山康江参院議員とも相談し、公認候補となって戦う決心がついた」と説明。選挙戦に向けては「希望の党を都市型政党という人もいるが、だからこそ山形からの声を3人が一枚岩になって届ける必要がある。地方にも生活者にも優しい党の公認候補として戦いたい」と述べた。
 阿部氏が希望の党公認で立候補することが決まったことから、野党統一候補になれば共闘したいとしていた共産党からの支援は受けられなくなる。前回選で共産党候補は9170票を得票している。連合山形は引き続き支援するが、社民党県連は支持を取り下げ、自主投票とした。
 阿部氏の希望の党入りで、不透明感が漂っていた山形3区の戦いの構図は確定。保守分裂選挙となった前回選から、鶴岡市長選・市議選、酒田市議選(10月22日告示、同29日投開票)も絡んだ与野党対決の色彩が強い戦いとなる見通し。

市長・市議選候補と連携 加藤鮎陣営

 加藤鮎子氏は9月28日の衆院解散後、酒田飽海地区で29日、鶴岡田川地区で10月1日、新庄最上地区で5日に事務所開きを行い、本格的な選挙戦に入った。各地域での総決起集会は6日以降で日程を調整している。
 加藤氏は酒田飽海地区の事務所開きで「地方創生と地域に根差した保守を掲げ、与党の現職国会議員として地域の声を国政に届けてきた。酒田港の整備、クルーズ船の誘致、飼料用米の予算確保など、形に出来たこともあるが、道半ばのものも多い。大変厳しい選挙になるが、やるべきことを実現するために何としても勝たせていただきたい」と危機感を露わに訴えた。
 加藤鮎陣営では、得票の鍵となる地元鶴岡田川地区で圧勝しないことには勝利がおぼつかないと、鶴岡市長選、市議選との連携を強化している。
 加藤鮎氏は鶴岡市では榎本政規市長と二人三脚で動きながら、同市議選に立候補を予定する保守・公明系の現職・新人20人、酒田市議選で保守・公明系の10人と連携する。9月以降、それぞれの事務所開きや決起集会、自身の後援会の集会のほか、企業の朝礼などにも顔を出している。

地方議員の会と連携 阿部陣営

 阿部寿一氏は9月29日午前、国道7号に面した酒田市富士見町1丁目の現地で後援会事務所(公示後は選挙事務所)開きを行った。同日午後にはすでに開所していた新庄市桧町の現地で、10月2日午前には鶴岡市日吉町の現地でそれぞれ後援会の連絡所開きも行った。
 このうち後援会役員や支援団体の代表ら約250人が出席した酒田市での事務所開きでは、中村護・酒田飽海地区後援会長が「待ちに待った解散・総選挙。短期決戦だが、何が何でも勝たなくてはいけない。そのために、皆さんからは支持を広げていただきたい」と協力を呼び掛けた。
 連合山形の岡田新一会長、山形県平和センターの小口裕之議長、酒田市議会の後藤仁議長らの祝辞に続き、阿部氏は「大都市・大企業優先の政治から地方・中小零細企業、国民生活を大切にする政治に転換していかなければならない。大きな風が起きようとしており、この風をもっと大きくしていこう」と訴えた。
 今後は、鶴岡田川地区の総決起集会を10日午後6時半から東京第一ホテル鶴岡で開く。酒田飽海地区の総決起集会は4日、新庄最上地区は5日に終えた。
 参院選を前にした昨年3月には、衆院山形3区内の市町村議員有志が「阿部寿一氏を支える地方議員の会」(代表・本多茂前酒田市議会議長)を設立。阿部後援会の関係者によると、3日現在で計80人の議員が名簿に名前を連ねているという。
 陣営では、同会を足掛かりに支持を拡大していきたい考え。特に鶴岡市長選・市議選、酒田市議選を踏まえながら、同会所属の立候補予定者と連携した戦いを展開して浸透を図る。

8日に鶴岡、酒田で演説 加藤太陣営

 日本共産党の加藤太一氏は6月14日に立候補を表明。事務所は鶴岡市美原町の同党鶴岡地区委員会事務所内に設ける。3日に開いた同党中央委員会総会を実質的な決起集会に位置づけ、党員の結束を確認した。  8日の鶴岡市長選・同市議選公示日には、午前11時半に同市美咲町のウエストモールパル前で、衆院選東北比例区に出馬予定の高橋ちづ子氏と舩山由美氏、同市議選立候補予定者らと街頭演説を予定。同日午後2時からは、酒田市の酒田勤労者福祉センターで高橋氏、舩山氏と演説会を開く。

釈党首が12日に来庄 城取陣営

 幸福実現党の城取良太氏は9月26日に正式に立候補を表明。10月1日に酒田市豊里の同党関連施設で事務所開きを行い、支持者30人が集まった。
 今後は酒田、鶴岡、新庄市などでミニ集会や支持者へのあいさつ回りを行う。10月12日午前には釈量子党首を応援弁士に招いた演説会を、遊佐町と鶴岡市温海地区で開く。

本紙独自アンケート調査
衆議院選挙山形3区 立候補予定者に聞く
アベノミクス、加計・森友問題、原発再稼働、憲法9条改正をどう見ているのか

 本紙では10月2日現在、衆院選山形3区に立候補を予定する4人に、安倍政権が行ってきた重要政策に対する評価を聞いた。質問は下記の四つ。回答を掲載する。掲載は順不同、敬称略。
問1  安倍総理の経済政策(アベノミクス)は大企業に利益増をもたらしたが、山形3区内では景気が上向いているとの実感は乏しい。山形3区内では少子高齢化が進み人材難も顕在化し、地域経済の縮小が心配される。安倍政権は地方創生を唱えているが、地方と大都市圏との格差は拡大しているように感じる。安倍総理の経済政策を続けるべきか、転換すべきか 問2 安倍総理は加計・森友問題や安保法制などで、真摯に国民に説明すると発言してきたが、閣僚を含む国会答弁でも今回の臨時国会の冒頭解散にしても、国民に広く説明し理解を得ようという姿勢が感じられない。自衛隊の日報問題も同様。安倍総理は国民への説明責任を十分に果たしていると思うか。衆院選後の国会はこれら問題にどう対応すべきか 問3 東日本大震災から6年が過ぎ、原子力発電所の再稼働が具体化してきている。しかし核廃棄物の最終処分場の設置場所は決まらず、事故を起こした福島第一原子力発電所の地下水汚染や炉心溶融した原子炉の処理など先の見えない問題は多い。原発再稼働をどのように考えているのか 問4 憲法9条への自衛隊明記や緊急事態条項、教育無償化、参議院の合区解消などを憲法に加えようという、自民党の憲法改正案をどう思うか
加藤鮎子 加藤鮎子(38)
かとう あゆこ

前・自由民主党公認
鶴岡市大東町、コロンビア大学国際公共政策大学院修了

(1) 直近の「地域経済500調査」(日経新聞社)によれば、地方の景況感を示す指数(改善から悪化の割合を引いた値)はプラス35.1と大きく改善した。アベノミクスはその果実を確実に地方に運びつつある。しかし、景気回復を実感できないことは、給与への反映にタイムラグがあることと、年金生活者にはその恩恵が感じられないためである。対策として、自民党の経済政策を更に進め若者の雇用を拡大する。収入の少ない年金受給者に対しては、2019年より最大月5000円を給付する「年金生活者支援給付金」を手当てしたところであるが、これをさらに前倒しし増額するよう尽力する。

(2) 安倍総理は、7月24日、衆院予算委員会閉会中審査に出席し、「『李下に冠を正さず』という言葉がある。足らざる点があったことは率直に認めなければならない。常に、国民目線で丁寧な上にも丁寧に説明を続けたい」と反省の弁とともに、丁寧な説明を続けることを明言した。どんなに言葉を尽くしたつもりでも、理解の判断を下すのは国民の側である。森友問題、安保法制、自衛隊の日報問題についてもこの延長線上にあり、衆院選後の国会では、国民の理解を得られるよう更に丁寧な説明が求められる。

(3) 原発再稼働の適合性を審査する原子力規制員会は、現在、三条委員会という独立性の強い機関となっている。この法改正は自民・公明・民主の賛成で決められたものであり、適合性審査も極めて安全性の基準が高く設定された。従って、再稼働については専門機関の決定を注視したい。しかし国民の安心の観点からは、将来的に原発を段階的にゼロにする道を模索すべきであり、その過程では、風力・太陽光・バイオマスのような再生可能エネルギーに更なる技術革新を加え実用性を高め、安全性と経済性を兼ね備えたエネルギーミックスを達成すべきと考える。

(4) 時代の変化に伴い時代の要請として、国民の議論とともに憲法改正はなされるものと考える。自民党は公の政党として国のあり方を常に真剣に考えており、憲法改正案を提示することは役割の一つである。その際、共有されるべき認識として、憲法とは権力を行使する側を縛るものであるということは強調したい。自衛のための実力保持は現状の条文でも合憲と考えているが、更にこれを明確にする改正には賛成する。しかしながら、自衛隊という機関名を明記するかについては慎重に議論したい。教育無償化には賛成。参議院の合区解消についても賛成。

阿部寿一 阿部寿一(58)
あべ じゅいち

元・希望の党公認
酒田市亀ケ崎、東京大学法学部卒、元衆議院議員

(1) アベノミクスについては見直すべきだと思う。アベノミクスを打ち出して以降、大都市・株主と地方・生活者の格差は拡大し、円安による輸入原材料の高騰で中小零細企業・生活者は苦労し、また、低金利により老後の蓄えが目減りしている。今なすべきことは、社会保障の充実で老後不安を払しょくしながら内需主導型の経済へ転換し、国民の所得の向上を図ることである。さらに、高速道路の整備促進、現場重視の農政改革、工場・事業所の地方移転などを進め、地方の疲弊に歯止めをかけるべき。

(2) 当然のことながら、衆議院選の結果いかんにかかわらず、森友、加計、自衛隊の日報問題などに関する国民への説明責任が果たされたとは考えるべきではない。また、国家・国民のために臨時国会を開催する必要性があると判断したにもかかわらず、何の審議もしないで、大義に乏しい解散をすることも憲政史上に残る悪例といえる。したがって、総選挙後の国会においても、これらの問題について国民が納得できるよう、丁寧で真摯な対応をすべきであることはいうまでもない。

(3) いうまでもなく、国民生活、企業活動には安価で安定的な電力の供給が不可欠。しかし現状では、アベノミクスの円安誘導、原発の稼働中止により原油・石炭の輸入価格が高騰し、以前に比べれば電力料金を高くせざるを得ない実情にあることを忘れてはいけない。したがって、代替エネルギーとしての再生可能エネルギーの普及促進に努める一方で、安全性を十分確保しながら原発の再稼働をすることには反対ではない。しかし、期限を定めて脱原発を目指すことは必要だと考えている。

(4) 我が国の憲法は改正が困難であるが故に、国の安定が保たれてきた。また、一部「押しつけ憲法」という人もいるようだが、日本国憲法は平和主義を高らかにうたうなど、今でも他に誇るべき内容だと思う。立憲民主主義の大きな柱である憲法改正については、なぜ改正が必要なのかという認識を国民と共有せず、また、十分な議論がないまま、改憲ありきで前のめりに改正に進むやり方には賛成できない。

加藤太一 加藤太一(66)
かとう たいち

新・日本共産党公認
鶴岡市稲生、鶴岡工業高校卒、前鶴岡市議会議員

(1) 安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、格差と貧困を広げてきた。消費税が8%に引き上げられてから3年半になるが、家計を直撃して内需を冷え込ませ、今も経済に打撃を与え続けている。消費税を10%にすれば、家計と経済はますます落ち込む。社会保障も、医療、年金、介護などあらゆる分野が改悪された。アベノミクスは直ちにやめ、税金は富裕層と大企業に応分の負担をしてもらい、社会保障、子育て、若者に優先して税金を使うとともに、軍事費や大型開発の無駄を削り、暮らしの応援に回して日本経済を立て直す。

(2) 安倍政権は憲法破壊に加え、民意を踏みつけにした政権と言わざるをえない。「森友・加計疑惑」は、安倍首相夫妻の「お友だち」なら国有地が特別に値引きされるなど、安倍政権による国政私物化疑惑だ。南スーダンPKO(国連平和維持活動)派遣部隊の日報隠ぺい問題も、真相を隠したまま。今度の国会解散理由は、安倍首相の関与が明らかな「森友・加計疑惑」隠しただ一つ。首相がこうした疑惑隠し解散の暴挙に出たのも、国民世論と運動に追い詰められたから。選挙が済めば終わりではない。日本共産党は次の国会でも引き続き徹底的に追求する。

(3) 原発再稼働に、どの世論調査でも5〜6割が反対している。福島原発事故を体験した国民の中では「原発安全神話」は完全に崩壊した。その後、約2年にわたって「稼働原発ゼロ」となり、日本社会は原発ゼロでもやっていけることが明らかになった。ところが、安倍政権は原発の再稼働を認め、原発再稼働をごり押ししている。私たちはただちに原発ゼロの政治決断を行い、原発の再稼働を中止し、2030年までに電力の4割を再生可能エネルギーにする目標を掲げ、省エネ・節電の徹底と、再生可能エネルギー大幅導入の計画を立てて実行する。

(4) 安倍首相の9条改憲を許すのか、これを食い止めるのかは、今度の衆院選の大争点の一つ。安倍首相が主張する9条改憲は、自衛隊の追認にとどまらず、現憲法の9条2項は空文化され、アメリカとともに「海外で戦争する国」に日本は変わってしまう。「緊急事態条項」は、内閣総理大臣の宣言だけで、国民の基本的人権を停止するなど、事実上の「戒厳令」を可能にしてしまう。変えるべきは憲法ではなく、憲法をないがしろにしてきた政治。日本共産党は、安倍政権による憲法改悪を許さず、憲法の全条項を守り、平和的民主的条項の完全実施を進める。

城取良太 城取良太(40)
しろとり りょうた

新・幸福実現党公認
酒田市日の出町、成蹊大学経済学部卒、幸福実現党山形県本部代表

(1) 部分的に転換すべき。アベノミクスの失敗の最大の要因は消費税増税。金融緩和・財政出動の拡大路線を、消費を冷やす消費増税によって完全に潰してしまった。まさにアクセルとブレーキの関係だ。消費税は逆進性が強く、地方から景気を冷やすことから、地方創生は有名無実化している。消費税5%への引き下げから「減税による経済成長」を始めるべき。また、ここ数年続いている強制的な賃上げ(ベア)など、労使自治の原則を破り、企業経営の自由を奪っている国家社会主義的な経済政策は看過できない。

(2) 確かに「疑惑隠し解散」という自己本位の解散であったが、一方、もし臨時国会で野党の加計・森友問題の追及が続いていたら「いい加減にしろ」という感じだ。極東を中心とした国際情勢、国内経済も危機にある内憂外患の中、日本の未来に必要不可欠な「幹の部分」を真剣に語り合う場であるべきだ。国民の安全と豊かさに資するような議論を行う場として、大事な国民の血税を使うべき。

(3) 大いに賛成。福島第一原発事故を発端とした「脱原発」の流れがあったが、その分、火力発電への依存が高まり、化石燃料の輸入などに多くの国費が費やされてきた。また、科学的事実に基づけば、人体に全く影響のない被爆線量を除染基準としたことで、膨大な税金が浪費されている。被爆に関する風評被害が、被災された福島県民に大きな実害を及ぼしている点も看過できない。原発再稼動によりエネルギー安全保障に柱を立て、クリーンで安価なエネルギー源を確保できる。

(4) 憲法9条第1項が残っており「自衛隊は白でもあるし、黒でもある」という曖昧模糊とした自民党型9条改正案には反対。明確に「自衛隊を国防軍として位置づける」形での改正案に全面的に変えていくことが重要。教育無償化は選挙対策の集票対策であり、税金の無駄遣いとなることは間違いなし。公教育レベルの大幅な低下を招く危険性がある。

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