郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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来春高卒者の就職内定状況
求人減るも内定率は例年並み
庄内 関東避け県内増加で激戦も

 庄内の来春高校卒業予定者の就職内定状況は、新型コロナウイルス感染症の影響で応募や選考が例年より1カ月遅れたが、11月に入り1回目の選考結果がまとまってきた。各高校の話を総合すると、求人は前年より減少したものの内定率は75〜90%程度と例年並み。東京など関東圏を避けて県内就職を希望した生徒が増え、応募が集中して激戦となった地元の大手製造業もあった。(編集委員・戸屋桂)

コロナで保護者の意向も影響

表
 鶴岡公共職業安定所管内の来春高卒予定者は、9月末現在で1439人と前年同期比0.5%減=表参照=。このうち学校・職安あっせんによる就職希望者(以下求職者)は396人で同11.4%減となった。内訳は県内希望者が294人で同5.8%減、県外希望者は102人で同24.4%減。新型コロナの影響で関東圏への就職を不安視する保護者の意向も強く働いた。
 県内求人数は9月末現在680人で前年同期比15.8%減。求人倍率は2.31倍と、前年同期の2.59倍には及ばないが1人に2人超分の求人があった。
 求人の業種別では、最も多い製造業が214人だが、前年同期比は21.6%減。このうち繊維工業は51人で同2.0%増、情報通信機械は25人で同7.4%減、食料品・飲料は23人で同9.5%増、電気機械は20人で同5.3%増、金属製品は18人で同50.0%増、輸送用機械は18人で同37.9%減などだった。
 次いで建設業は191人で同3.8%増、医療・福祉は68人で同20.0%減、宿泊・飲食サービス業は55人で同24.7%減、卸売・小売業は41人で同41.4%減などとなった。
 一方、酒田公共職業安定所管内の来春高卒予定者は、9月末現在で963人と前年同期比14.8%減。このうち求職者は339人で同9.1%減となった。内訳は県内希望者が227人で同11.8%増、県外希望者は112人で同34.1%減となった。県内希望者が県外希望者を100人以上も上回った。新型コロナの影響が大きく表れた。
 県内求人数は9月末現在661人で前年同期比14.0%減。求人倍率は2.91倍と前年同期の3.79倍を大きく下回ったが、1人にほぼ3人分の求人があった。
 求人の業種別では、最も多い建設業が262人で前年同期比18.0%増。次いで製造業が157人で同28.3%減、中でも食料品が36人で同45.5%減、窯業が21人で同10.5%増、金属製品が18人で同18.2%減、電子部品が16人で同20.0%減だった。
 医療・福祉は71人で同14.5%増、卸売・小売業が53人で同37.6%減、サービス業が52人で同22.4%減などとなった。


求職者の多い高校の状況

地元製造大手に人気集中

 求職者が50人程度以上いる庄内の7高校の内定状況を11月9〜16日に聞いた。
 酒田光陵高校は16日現在、卒業予定者341人のうち求職者は180人。県内希望者96人のうち内定者は87人で内定率90.6%。県外希望者84人のうち内定者は66人で内定率78.6%だった。県外の内定率が例年より少し低くなった。これは、販売職種での内定が減ったため。求人が減り、競争が激化した可能性がある。
 県内は求人社数が前年同期より増え、豊富な求人から選ぶことができた。コロナ禍の不安から、例年以上に地元の大手企業や名前の知られた製造業に応募が集中したが、内定企業は業種、職種ともに例年並み。
 同校進路指導担当者は「コロナ禍でもっと厳しくなると予測したが、求人が予想以上にあり、コロナの影響は現時点ではあまり感じられない。地元企業からは今も少しずつ求人があり、充足していない求人も多いので、2回目の応募先もある」と言う。
 鶴岡工業高校では9日現在、卒業予定者188人のうち求職者は124人。県内希望者77人のうち内定者は68人で内定率は88.3%。県外希望者47人のうち内定者は42人で内定率は89.4%。1回目での内定状況は前年とほぼ同じ。
 県外は企業見学がほぼインターネットによるものとなったが、生徒が選ぶ企業は先輩の就職実績がある企業のため内容は知っている。試験もネットや同校を訪れて実施した企業があった。
 県内は人気が集中した企業があり、同校からも何人も応募したため、競争が激化した。結果、内定を得られなかった生徒も出た。また、求人を絞る企業もあり、職安から求人票を取り下げたり、求人数を半分に減らしたりした企業の連絡が頻繁にあった。

2回目の応募先は減少傾向

 羽黒高校では11日現在、卒業予定者325人のうち求職者は77人。県内希望者56人のうち内定者は47人で内定率は83.9%。県外希望者21人のうち内定者は18人で内定率は85.7%。内定率は例年並み。コロナの影響で県外希望者が減り、地元志向が強まった。
 県内求人は前年より少なく、特に観光関連や飲食は減少が目立ったが、建築・土木は増えた。求人が減ったとはいえ、生徒は第一希望に応募することができた。特に工業科は機械システム、自動車システムと学んだ分野の企業に内定した。県外ではトヨタ本社に内定した。
 庄内総合高校では16日現在、卒業予定者93人のうち求職者は67人。県内希望者55人のうち内定者は46人で内定率は83.6%。県外希望者12人のうち内定者は9人で内定率は75.0%。内定率は例年並みで、予想以上に順調に決まった。
 求人は県内外とも2割減程度だが、生徒の応募企業の決定に大きな影響は無かった。内定先は製造業が男女とも多く、建設も多くなった。1回目の試験で決まらなかった場合の2回目の応募企業は、昨年ほど多くない。県内外とも販売やサービスは狭き門となった。
 鶴岡東高校は13日現在、卒業予定者230人のうち求職者は61人。県内希望者55人のうち内定者は43人で内定率は78.2%。県外希望者6人のうち内定者は5人で内定率は83.3%。県内の未定者が12人と前年同期の2倍になった。
 これは、庄内全体で、例年は県外を希望した一定層の生徒が県内を希望したことで、地元大手企業の倍率が上がったため。また、これまで内定をもらっていた企業から内定をもらえない例もあった。2回目の応募先に介護系を選ぶ生徒が増えたのも例年には無い傾向。

地元の調理の仕事は薄く

 酒田南高校では16日現在、卒業予定者142人のうち求職者は60人。県内希望者39人のうち内定者は34人で内定率は87.2%。県外希望者21人のうち内定者は16人で内定率は76.2%。
 県外希望者の半数は秋田県から入学している生徒で、地元の秋田県で就職を希望しているもの。あとの半数は食育調理科で、県内に調理の求人がほぼ無かったため、県外を希望した。
 例年は関東と仙台が県外のほとんどを占めたが、今年は岩手や北陸の温泉旅館で日本料理に内定した生徒が3分の1を占めた。食育調理科は100%内定した。
 鶴岡中央高校では16日現在、卒業予定者256人のうち求職者は48人。県内希望者36人のうち内定者は28人で内定率は77.8%。県外希望者12人のうち内定者は11人で内定率は91.7%。コロナを不安視した保護者の考えや企業見学に行けないことから、県外から県内に切り替えた生徒がいた。
 県外求人は関東を中心に業種も幅広く多数あるが、生徒の希望は仙台や新潟と近県が増え、関東は減った。
 県内求人はホテル・宿泊と飲食が減り、製造業もこれまで求人をもらっていた企業が無くなり、1社当たりの求人数も減った。製造業と事務職に希望が集まり激戦となった。建設業は求人はあるが希望者が少なかった。


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