郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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ペイペイ連携キャンペーン
鶴岡市 消費18億円、還元3億円
加盟店の7割が売上増加

 鶴岡市は、スマホ決済のペイペイと連携して3月1日〜4月30日に実施した消費喚起キャンペーンの結果をまとめた。還元総額は当初予算の約2倍の2億9356万円相当、消費(決済)額は18億1903万円に上った。加盟店への調査では売上が前年同期より増えた店が約7割、消費促進効果があった店が約9割を占めた。加盟店、利用者とも第2弾実施への期待は強い。一方、スマホを持っていない人や高齢者への配慮を求める声もあった。

当初予算の2倍に

鶴岡市のペイペイ連携キャンペーンの実績

 鶴岡市の消費喚起キャンペーンは酒田市などと同様に、コロナ禍で売上が減少した市内中小店舗の支援と消費喚起、接触を伴わないキャッシュレス決済の普及を進める目的で、ペイペイ(株)(東京都、中山一郎代表取締役社長執行役員CEO)と連携して実施した。
 全国チェーンなどを除く市内のペイペイ加盟店で、消費者が商品やサービスの代金をペイペイで支払うと、支払額の20%がポイントとして30日後に付与される。ポイント付与の上限は1回の支払いで2千円相当、1カ月で1万円相当。利用者はスマホなどペイペイのアプリを使える機器を持っていることが前提になる。
 還元ポイントや経費は市が全額を負担した。関連予算額は当初1億5400万円、4月の補正で3億1600万円を増額し、計4億7000万円とした。
 市が2日に公表した報告によると、還元ポイントの総額は2億9356万円相当、還元ポイントにつながった消費(決済)総額は18億1903万円となった。
 地域全体の消費の増減を含めた検証は必要だが、一定の経済効果があったのは確か。財源も地域振興基金を取り崩すことなく、国の地方創生臨時交付金の範囲内に収まった。
 業種別の実績は表の通り。加盟店数は1186店で、1月31日時点の810店から376店46・4%増えた。業種別で加盟店数が最も多いのはサービス業で434店、次いで各種小売が384店、飲食が348店。以上3業種で全体の98・3%を占めた。
 1店当たりの還元額は、各種小売が48万8743円、飲食が14万7047円、サービスが11万7094円だった。
 ペイペイへの加盟時期はキャンペーンの「以前から」が67・1%を占め、「告知から」が18・0%、「開始後」が14・8%だった。

次回も参加したい店9割

 市が全加盟店に郵送して674店から回収したアンケートの結果によると、売上の前年同期比は「50%以上増加」が4・9%、「20〜50%増加」が22・0%、「20%未満増加」が40・5%で、「増加」が67・4%を占めた。消費促進効果は「大いにあった」が38・7%、「あった」が49・4%、合わせて88・1%に上った。
 売上が「増加しなかった」は28・6%だったにもかかわらず、消費促進効果が「なかった」は9・8%にとどまった。同様のキャンペーンを実施する場合の参加意欲も「参加したい」が88・6%を占めた。実施すべき時期は、今年度「上半期(夏〜秋)」が51・8%、「下半期(冬〜春)」が33・7%、「来年度以降」が5・0%だった。
 キャンペーンに対する評価や要望は多い順に「還元率を30%に」が20・0%、「高齢者やスマホを持っていない人に不公平」が15・5%、「準備・PR不足」が14・7%、「上限額の緩和」が13・4%、「開催時期・期間の見直し」が9・8%。
 「入金が遅い」「現金収入が減って資金繰りが大変になった」「レジでの説明や対応が増えた」「ペイペイに限定すべきでない」などの指摘もあった。
 市のホームページから回答した利用者65人のアンケート結果によると、消費額は普段と比べて「50%増」が27・7%、「20〜50%増」が46・2%、「20%未満増」が12・3%で計86・2%が「増えた」と答えた。消費促進効果は「大いにあった」が66・2%、「あった」が26・2%で、計92・4%に上った。
 スマホの利用は「1年以上前から」が96・9%を占め、ペイペイの利用も「1年以上前」が38・5%、「1年以内」が26・2%、「今回のキャンペーンから」は32・3%だった。ポイント還元状況は「1万〜2万円相当」が56・9%、「1万円未満」「5千円未満」が各20・0%だった。

ペイペイ払いが5〜9割

 鶴岡市大山のラーメン店・麺工房善では期間中、客の約6割がペイペイで支払い、売上は前年同期を上回った。当初、利用は若年層が中心になると考えていたが、60、70歳代の利用も多かった。慣れていない人の場合、決済に時間がかかることがあった。入力ミスで代金を余計に支払う例も数件あった。
 同店では「キャンペーンが終わった今はペイペイで支払う人が1割ほど。還元事業の効果の高さを実感した。またやってもらいたいが、使い方を教える機会も増やしてほしい。スマホでQRコードを読み取る方式だと、利用者が金額を間違うことがあった。ペイペイ対応のレジに補助があればうれしい」と話した。
 同市大宝寺の美容室ambinoでは、期間中にペイペイで支払った客が約半数を占めた。2月までは5%ほどだったので大幅に増えた。
 客層に変化はほとんど無かったが、還元ポイントが1万円相当になるようにシャンプーやトリートメントなどの商品を組み合わせて買う人がいたり、普段より高いメニューの予約が入ったりした。キャンペーン終了後は還元ポイントを使うためか、客の約20%が引き続きペイペイを使っている。
 同市内のある居酒屋では期間中、60歳代や高齢者を含む客の8〜9割がペイペイで支払った。コロナ禍で飲み会の需要が低迷する中で売上が伸び、新規客も増えた。
 ペイペイでの決済は入金が翌月になるため、仕入れなどに必要な現金が一時的に不足することがあった。店主は「仕入れの支払いもペイペイでできるか、即現金化できるとありがたい。還元率は酒田のように30%にしてほしい」と要望した。
 同市内のある旅館では、ランチや売店の6〜7割の客がペイペイを使った。ペイペイが使えるかを調べて来る客が多く、新規客も増えた。県内客の利用がほとんどで、特に鶴岡市民は若年層から中高年層まで幅広く利用した。
 県外客は還元事業を知らずに訪れる人が多く、ペイペイに入金したいなどの問い合わせがあった。旅館の経営者は「地元には周知できていたが、観光客への宣伝は不足していた」と指摘した。

庄内町でも6月実施中

 庄内町では6月1〜30日に、ペイペイ加盟店で買い物をすると20%還元するキャンペーンを開催している。加盟店は5月末現在、大手チェーン店を除く町内の約160店で、キャンペーン前の4月15日現在の約100店から、農協系スーパーやガソリンスタンドをはじめ約60店60%増えた。リストは同町ホームページに掲載した。
 還元の上限額は1万円分だが、同町に何度も足を運んでもらうために、買い物1回につき最大還元額は4千円分までとしている。還元額の予算は2400万円で、原資は全額、酒田市や鶴岡市と同じ国の地方創生臨時交付金。

遊佐町も8、9月に

 遊佐町では8〜9月、町内で買い物をしてペイペイで電子決済した町内外の人に、支払額の20%分のポイントを還元する。
 還元ポイントの上限は1回4千円分、1カ月1万円分。実施予算2278万円は全額、国の地方創生臨時交付金で賄う。
 対象店舗は4月末時点で約40店だが、7月まで募集し、8月1日までに140店へと増やす。町民向け説明会も7月に開く。

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