郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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インタビュー
トップセールスで企業誘致
庄内町長 富樫 透氏(58) 庄内町沢新田

 7月の庄内町長選挙で初当選した富樫透町長(58)=同町沢新田=に、新たに目指すコロナ後のまちづくりの展望を聞いた。富樫町長は庄内町のブランド力を高め、トップセールスによる企業誘致など働く場の確保や、町民主役の新たな仕組みを作ると話した。(編集委員・戸屋桂)

庄内町長 富樫 透氏(58)庄内町沢新田

庄内の冠に合うブランド化

―前町政との違い、特に力を入れる施策は。
 町長が率先してトップセールスで企業誘致を進める。町民を回って話を聞くと、働く場が無いという声は切実だった。大学を出て戻ってきて働く場が必要となっている。起業も含めて庄内町で何かやるということ、庄内町に関わるということを面白いと思ってもらえるような仕掛けを作りたい。それが応援団を作り、交流人口の拡大、移住にもつながっていくと思う。
 また、市町村合併の時にせっかく名付けた「庄内」という冠に合ったブランド力を強化していく。在来作物で頑張ってきた麦茶、和がらし、からとり芋、ジュンサイ、山の芋など地域の特産物に付加価値を持たせ、もう一度磨きをかけるなど、特産品開発を含めて庄内町のブランド化を進める。
 風車のまち・環境のまちとして先陣を切っていた環境への取り組みが、環境課を無くすなど後退したので、時代に合った形で環境のまちとしての再生を図る。
 12月に風車12基が新たに稼働予定だが、風車ばかりでなく、脱炭素化やゴミの減量など環境に配慮したことを、できることから取り組み、庄内町の特徴にしていく。地球に負荷を掛けない仕組みづくりが、めだか米や清流立谷沢川、カブトエビなどともつながり、観光資源や町の売りになる。

GI認証の特産品を開発

―庄内町の人口は7月末現在約2万400人。合併当時に比べ17%減っている。どう対処していくか。
 人口減少・超高齢化・労働力不足など2030年問題を解決するため、庄内町は何ができるか、庄内町の良さは何かをしっかりPRしながら、内需を拡大して人・物・金が循環する仕組みを作り、一方で情報発信を進め、コロナ後には輸出にもつながるような、GI(地理的表示)認証が取れるような特産品を開発する。
 そこには雇用も生まれる。大企業でなくても小さい企業がたくさんできること、ここでなければならないという企業が出てくれば、移住定住も進む。
 交流人口拡大のための観光振興という面では、立川地区は起点になる。風車村から回遊できるルートを作り、途中に展望台を造るなど観光にも生かしていきたい。
 月山山頂の町をうたうだけでなく、百名山の中でも容易に登れて花の宝庫である月山の魅力、出羽三山の山岳信仰とも合わせて稀有な存在ということを、もっとPRできる。食文化や日本遺産などとも合わせて、オール庄内で観光振興に取り組んでいきたい。

高規格道路で地域振興

―国道47号高規格道路の整備が進む。どう生かすか。
 立谷沢川沿いにインターができる予定もあり、地域観光という点で戸沢村と連携して取り組めることがあるのではないか。最上川船下りで清川まで来る船を作ったり、JRに協力してもらい船番所で降ろす電車を作ったり、アイデアはいろいろある。
 東北中央自動車道がつながるが、内陸の工業団地が埋まっているという話もある。高規格道路を生かし、受け皿として企業進出も可能なように準備をしたい。
―選挙戦でコロナの終息は当たり前、その後のまちづくりが大切と訴えてきた。
 コロナで生活様式も大きく変わっている。農業とシステムエンジニアを兼業する半農半Xのような人も出てきた。丸一日は仕事ができない主婦や、会社に行って仕事をするのは難しい人などが、多様に働く仕組みも可能性が出てきている。
 デジタル化が進むことで、健康づくりやボランティアなどで社会参加したことや、課題解決につながる取り組みがポイント制で溜まり、還元される仕組みもできる。
―高速交通については。
 庄内空港の滑走路延長は必要。山形新幹線延伸の話は鶴岡と酒田で割れて進まず、とうとう酒田延伸の協議会は解散という話になっている。残念ながら高速道路も、つながっていないのは全国でも庄内だけ。これまでは予算を内陸から先に持って行かれるという面もあった。縦の日本海沿岸東北自動車道、横の高規格道路、どちらも早く進めてもらいたい。庄内の首長が一体となって優先順位を決めて行動することが大切。

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