郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
Community News Web Site

大型連休
観光客は前年同期より大幅増
庄内 行動制限解除、好天が後押し

 大型連休中に庄内を訪れた観光客数は、コロナ禍による行動制限が解除され好天の日も多かったことから、コロナ禍前には届かなかったものの前年同期を大幅に上回った。県外客は近隣県や関東など東日本が中心。コロナ禍前に見られた関西は少なかった。庄内からの旅行先は県内が人気で東京や海外は少なく、遠出を控えたことがうかがえた。(本紙取材班)

水族館の入館者2・5倍

修学旅行が好調な加茂水族館
修学旅行が好調な加茂水族館

 鶴岡市立加茂水族館の4月29日~5月8日の入館者数は2万6928人と、前年同期より1万6345人154・4%増えた。
 入館者数が最も多かったのは、5月4日の4369人。次は3日の4165人。4月29日~5月5日の7日間は連日2千人を超えた。
 新型コロナ対策で整理券配布や、日時指定の前売り券販売などをしたため、コロナ禍前の大型連休の1日5千人超には及ばなかったが、前年は最も多かった5月3日は2091人、2千人以上は同日だけだったことからも、かなり増えた。
 県外客が76%を占め、前年同期の66%から10ポイント増えた。コロナ禍前の約80%に戻りつつある。
 昨年から増えた県内を主とした修学旅行は今年も多く、5月は1日に複数校を受け入れる日もある。


夢の倶楽は帰省客目立つ

若年層が多かった夢の倶楽
若年層が多かった夢の倶楽

 県によると、山居倉庫の酒田市観光物産館酒田夢の倶楽の4月24日~5月5日の来館者数は3万3100人。前年同期より1万5400人87・0%増えたが、18年同期よりは3600人9・8%減った。
 同施設を指定管理する酒田観光物産協会によると、ピークは4月30日と5月3、4日の2回。連休前半は県外客が多く、後半は内陸や近隣県の客が多かった。今年は観光客だけでなく帰省客が目立ち、若年層が多く、高齢者は少なかった。
 来館者数はコロナ禍前には届かなかったものの、回復の兆しはある。大型連休は個人客が多く、団体客のバスはコロナ禍前も無かった日が多かったが、今年は団体バスが数台来た。修学旅行は好調だった前年を上回る勢いで伸びている。


ふらっと客足も売上も増加

 遊佐町の道の駅鳥海ふらっとの4月29日~5月8日の客数は2万4658人。前年同期より1万958人80・0%増え、売上も2010万円で同632万円45・9%増えた。土産品の売上が同20%増、レストランも同20%増と好調だった。
 駐車している車のナンバーは、近県を中心に関東方面も見られた。中部より西の遠方の車は少なかったが、観光客が戻ってきた。昨年は行動制限で秋田県側に抜けられなかった鳥海ブルーラインが通り抜けできたこと、連休後半の天気が良かったことなどが影響した。
 客数・売上が最も多かったのは昨年同様4日。朝から駐車場がいっぱいだった。気温が上がればもっと客数と売上が伸びたと思われる。


出羽三山は伸び少なく

家族客が中心だった羽黒山
家族客が中心だった羽黒山

 鶴岡市によると、出羽三山神社・国宝五重塔・いでは文化記念館などを含む羽黒山地域の4月24日~5月5日の観光客数は2万2200人だった。前年同期より1200人5・7%増えたが、コロナ禍前の19年より2万3500人51・5%減った。
 客層は家族客が中心で中高年の夫婦や若いカップルも目立った。県外客はほとんどが近隣県で宮城県と秋田県が多かった。関東地方もいた。
 羽黒町観光協会では5月3~5日、出羽三山神社随神門周辺の駐車場155台分に加え、旧羽黒第一小学校と宿坊街に臨時駐車場145台分を用意したが、随神門周辺の駐車場が4日に満車となっただけで、他の日は7~8割の利用にとどまった。


飛島 県外から野鳥観察

駐車場がいっぱいの酒田市みなと市場
駐車場がいっぱいの酒田市みなと市場

 定期船とびしまの4月29日~5月8日の乗客数は1094人。昨年同期を804・5人(子供は0・5人換算)上回り、277・9%増となった。同期間は1日2往復で20回運航する計画だったが、今年は15回で運航率75・0%に対して、昨年は9回で運航率45・0%だったため。
 しかし1運航当たりの乗客数を見ても、今年は72・9人で、昨年の32・2人から2・3倍に増えた。コロナ前の19年に比べると、乗客数はまだ半分にも満たないが、昨年に比べると客足は戻ってきた。
 飛島に渡る前に乗客が記入する乗船カード599人分を分析すると、観光目的が494人で全体の82・5%を占めた。このうちバードウオッチングが178人、釣りが57人、その他259人だった。バードウオッチングは観光客の36・0%、全体の29・7%を占め、ほとんどの人が東京など県外客だった。
 連休中で最も乗客が多かったのは、青空が広がった5日で254人だった。
 子ども無料キャンペーンの利用者は44人。市内小学校に配布した案内チラシを見た親子連れや、知り合いからキャンペーンを聞いた内陸の親子連れなどがいた。
 酒田市交流観光課によると、さかた海鮮市場の4月24日~5月5日の来場者数は1万7216人で前年同期比4252人32・8%増だった。19年同期より3256人15・9%減った。酒田市みなと市場は集計中だが、前年同期を上回った可能性が高い。


キャンプ客が増加

 遊佐町西浜コテージ村・キャンプ場の利用客は1830人。前年同期より983人116・1%増えた。コテージ6棟は昨年も連日空きが無く、今年利用客が増えたのはキャンプ客が増えたため。
 昨年より天候が良かったこともあり、県内、近県の利用が多かった。小学生や幼児を連れた家族客、ペット連れ客も増えている。
 温泉施設あぽん西浜が近いことで、もともと人気の高いキャンプ場だが、コロナ禍で密を避けて楽しもうと昨年初めて利用した客などが再来している例もある。例年より家族客が多かった。
 鶴岡市の休暇村庄内羽黒キャンプ場の4月29日~5月8日の利用客数は668人。前年同期より139人26・2%増え、19年同期より64人10・5%増えた。連休後半の5月2~5日は天候に恵まれ、3日は最多の161人が利用した。
 家族が中心だがカップル、友達同士など20歳代~50歳代の幅広い年代が利用した。県内客が多く、県外は宮城県が目立った。一人客も増えている。
 相澤ふみ同休暇村管理係長は「天候に恵まれたことやキャンプブームの影響などで、利用客が増えたのではないか」と話した。
 鶴岡市の湯の浜カントリークラブの4月29日~5月8日の来場者数は約1200人。前年同期より約300人33%増えた。予約が多かったのは4月29日、5月2、3、4、6日。前年同期は県のキャンペーンなどでコロナ禍前と同程度の来場数だったが、今年はそれを少し上回った。
 泉谷伸支配人は「コロナの行動制限解除と好天が影響したのでは。他のゴルフ場も良かったと聞くので、人が動いていたのだと思う。客層は、夫婦や帰省した友人との二人組などが多かった」と話した。

温泉客増も出足鈍く

 県によると湯野浜温泉の4月24日~5月5日の観光客は5900人。前年同期より3400人136・0%増えた。18年度より1万4800人71・5%減った。
 湯野浜温泉観光協会によると、5月3、4日は旅館とホテルが全て満室だったが、他の日は空きがあった。予約の出だしも遅く、両日が満室となったのは4月前半になって。コロナ禍前は半年前から満室になることがあった。近隣県や関東など東日本がほとんどで、宿泊当日の予約電話もあった。
 あつみ温泉の4月24日~5月5日の観光客数は9800人。前年同期より6800人226・7%増えた。18年同期よりは2800人22・2%減った。
 若松邦彦あつみ観光協会長は「今年の客層は二人組がほとんど。部屋は埋まっているが、家族連れは少なく、夫婦やカップルがほとんどだった。幼稚園児などに新型コロナがはやっていたことも理由の一つでは」と話した。
 鳥海山の大平山荘の4月29日~5月8日の利用者は773人で前年同期より406人110・6%増え、売上も373万円で同2倍に増えた。改修した洋室・個室も誘客につながった。
 鳥海山で春スキーを楽しむ関東圏などの常連客が中心で、連泊する客も多かった。改修して宿泊費を少し上げたことで客単価が上がった。これから本格化する登山シーズンに向けて、好調な出だしとなった。

海外旅行は皆無、県内へ

 近畿日本ツーリスト(株)酒田営業所の4月29日~5月8日の取扱高は、前年同期比20%増と伸びたが、コロナ禍前の19年同期比では80%減と、いまだ本格的な回復には至っていない。
 国内旅行では県内陸の上山、蔵王、赤湯の各温泉、庄内の湯野浜、温海両温泉が人気だった。日程は1泊2日が多く、価格は1人2万円ほどが主流だった。
 同期間は県の「やまがた春旅キャンペーン」の対象外となった。これも取扱高が思うように伸びなかった要因の一つ。
 19年に人気旅行先だった東京・横浜方面、東京ディズニーリゾート、北海道方面の取り扱いはほとんど無く、海外旅行は皆無だった。
 鈴木淳同社酒田営業所長は「国のGoToトラベルキャンペーンの再開時期や、県のキャンペーンが延長されるかどうかなどが確定していないため、夏場の予約は低調。お客は今後の動向を見極めている状態で、コロナが落ち着いてくるのかどうかが今後の旅行需要を左右しそうだ」と話す。
 (株)庄交コーポレーション庄交トラベルの大型連休期間の予約人数は前年同期比16・6%減、19年同期比でも80・7%減と、コロナ禍前の5分の1にとどまった。
 県内外の観光地を巡る日帰りバスツアーの集客が不振だったことに加え、宿泊を伴うバスツアーや飛行機を利用する商品も思うよう人数を伸ばせなかった。
 一方で地元の有名料理人が講師を務め、鶴岡市のショッピングセンター・エスモール内のクッキングスタジオで開いた料理教室は人気を博した。
 薮下博朗同社庄交トラベル事業部執行役員は「6~8月の予約人数は19年同期の状況に100%戻ると見通している。その受け皿として宿泊を伴うバスツアーの各種商品を充実させている。飛行機を使って関西方面や北海道、四国、沖縄を訪ねる旅行商品などもそろえている」と話した。


羽田便下りピークは29日

 全日本空輸(株)庄内支店によると、庄内―羽田空港便の4月29日~5月8日の搭乗客数は7934人。前年同期より5365人208・8%増えた。19年同期より4080人34・0%減った。
 今年は4往復全便を運航した。下りは4月29日が全便ほぼ満席の利用率95・4%と期間中最高となった。上りは5月5日が利用率85・7%で最も高く、午前7時10分発の第1便以外はほぼ満席となった。5月1、4、7、8日も午後の便で利用率が90%を超えた。
 JR東日本によると、羽越本線特急いなほの4月28日~5月8日の乗客数は計2万4千人。前年同期より1万5千人166・7%増えた。18年比では1万1千人31・4%減った。

トップへ戻る