郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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参院選県選挙区
5氏が支持拡大へ臨戦態勢
野党共闘の山形方式崩れる

 第26回参議院議員選挙で想定される22日の公示(7月10日投開票)が目前に迫った。山形県選挙区には、国民民主党筆頭副代表で3選を目指す現職の舟山康江(56)、自民党新人で前山形県議会議員の大内理加(59)=公明党推薦=、日本共産党新人で党県くらし福祉対策委員長の石川渉(48)、参政党新人で会社員の黒木明(48)、NHK党新人で発酵料理研究家の小泉明(51)の5氏が改選1議席を争う見通し。選挙戦本番を控え、本紙が5氏に対し独自に行ったアンケート調査の結果を掲載し、併せて各陣営の動向も探った。(本紙取材班)

自民の擁立遅れ全国的注目区

 次期参院選では、ロシアによるウクライナ侵攻や中国の軍事力増強を背景にした安全保障政策の見直しや、憲法改正の是非、防衛費の対GDP比1%から2%超への増額など防衛力強化の可否が争点となる。
 さらに新型コロナウイルス感染症対応を含めた岸田文雄政権に対するこれまでの評価、資源高と円安による物価高騰を受けた経済対策、少子高齢化に伴う医療・年金といった社会保障制度の将来に向けた対応などを、有権者がどう判断するのかにも注目が集まる。
 公示日が目前に迫る中、一部陣営を除く各陣営は激しい前哨戦を繰り広げており、戦いは事実上、国民民主・立憲民主を中心に野党勢力が推す舟山、自民・公明の与党勢力が支援する大内両氏による一騎打ちの公算が濃厚。県内の各界各層を巻き込みながら「競り合う展開が予想される」(酒田飽海地区の自民党関係者)との見方が広がっている。
 背景には、両陣営の関係者の間に、舟山氏の得票数は6年前の2016年7月の参院選から目減りしそうなのに対し、大内氏は21年1月の県知事選の得票数に上積みしそうだ、と指摘する声が多いことがある。
 舟山氏は前回選で34万4356票を獲得し、自民党の月野薫氏に12万773票の大差をつけて圧勝した。
 しかし次期参院選は、国民民主党山形県連と立憲民主党山形県連、連合山形の2党1団体の枠組みは維持したが、6年前から続く共産党も含めた野党共闘の「山形方式」が崩れた。加えて3年前の19年7月の参院選に、無所属で初当選した芳賀道也氏のような政党色の薄い戦いでもないため、支援団体によっては温度差がある、という指摘もある。
 立憲民主党が衆議院に9日提出した内閣不信任案に、国民民主党が反対した影響を、陣営の関係者は「ほとんどない。舟山氏は野党の立場。国政の中心で発信してきた舟山氏個人の発信力や実績がある」との見方を示した。共産党が離れたことで農業票を取り込みやすくなると期待する声もある。
 一方、大内氏は県知事選で16万9081票を獲得したが、40万374票を得票して4選を果たした吉村美栄子県知事に、23万1293票差をつけられて敗れた。
 次期参院選の山形県選挙区をめぐり自民党は、候補者の擁立を見送る方向に傾くなど、大内氏の立候補が決まるまで迷走した。
 こうした経緯もあり、陣営の関係者は「(大内氏は)自民党県連が不戦敗は有り得ないと反発して擁立した候補者。全国的にも注目される選挙区になったことから、これまでになく組織がまとまり、一致団結した選挙が打てる」と解説した。

 

舟山陣営

危機感持って大同団結

 舟山氏は、県全体をまとめる本部事務所を5月8日に山形市松山に開設し、選対本部長に長澤豊・全国農業協同組合連合会経営管理委員会前会長が就任した。県内9地区に選対支部を置き、県議会与党会派の県政クラブの所属議員、非自民系の市町村議員、連合山形を中心に動いている。
 総決起集会を15日に山形市内で開催した。公示日の22日は午前8時に山形市のパレスグランデールで出陣式を行い、選挙戦期間は県内9地区に分けて遊説する。
 酒田飽海地区選対本部は4月23日に発足した。選対本部長に本多茂前酒田市議会議員が就き、連合山形酒田飽海地域協議会、阿部寿一後援会、袖浦農協の各幹部、酒田市議会の志友会、市政研究会、市民の会に所属する市議11人と遊佐町議2人などが名を連ねた。
 舟山氏を迎えて総決起集会を19日午後4時から、酒田市勤労者福祉センターで開く。公示後の酒田飽海地区での遊説は計3回程度の見込み。4日は再度、決起集会を開く予定。
 鶴岡田川地区選対本部は4月初旬に発足した。選対本部長を髙橋淳県議、幹事長を小野由夫鶴岡市議が務める。鶴岡市議会の非自民系会派の市民フォーラム2人、SDGs鶴ケ岡2人、市民の声・鶴岡2人、三川町議2人、連合山形鶴岡田川地域協議会、田川地区平和センターなどが加わった。今野美奈子県議は選対に加わらず独自に支援する。庄内町は町議選があることもあり、独自に動いている。
 拡大選対会議を6月12日に開き、決起集会やつじ立ち、遊説弁士などの対応を決めた。危機感を持って、ようやく一致団結して動き出した。
 鶴岡地区総決起集会を19同日午後6時から東京第一ホテル鶴岡で開く。遊説は計3回。個人演説会を25日は朝日地区で、7月1日は鶴岡市街地区で開く予定。
 県内一斉つじ立ちを16日と20日の午前7時半から行う。
 県選対本部幹事長の吉村和武県議は「地域の代表として誰がふさわしいのかを選ぶ選挙。肥料が高騰する農業や食料安全保障の問題など、政策論争をしかけていきたい」と話している。

大内陣営

認知度高く接戦を予想

 大内氏は11日に鶴岡田川、酒田飽海、新庄最上の衆院山形3区内3地区で後援会事務所開きを行い、臨戦態勢を整えた。
 これに先立つ10日夕には、前内閣官房長官の加藤勝信衆院議員を招いて東京第一ホテル鶴岡で開かれた、加藤鮎子衆院議員の資金管理団体「地域政策研究会」の総会・政経セミナーの後にあいさつし、決意を述べた。
 元防衛大臣の小野寺五典衆院議員を招き18日午後5時半から、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開く同研究会酒田飽海支部総会・政経セミナー後にも、決意表明をする予定。
 山形3区内3地区の総決起大会は、鶴岡田川、酒田飽海の両地区とも14日現在調整中。新庄最上地区では総決起大会を行わず、7月3日同6時半から新庄市のニューグランドホテル新庄で個人演説会を開催する。
 大内氏は酒田飽海地区の後援会事務所開きで、山形県の参院議員は2議席とも野党が占めていることに言及し「政権与党を通して、私たちの声が参議院の場につながらない状況にある。これを変え、1議席は政権与党で握らなければいけない」と力を込めた。
 その上で「昨年の県知事選では庄内の方々から『庄内に光を当ててほしい』という切実な声をいただいた。残された時間はわずかだが、公明党をはじめ多くの皆さんの力をお借りして、山形県のために働かせてほしい」と支援を訴えた。
 県全体をまとめる選挙対策本部は5月29日に開設した。選対本部長に遠藤利明党選挙対策委員長兼党県連会長、同副本部長には鈴木憲和衆院議員と加藤鮎子衆院議員の2人が就いた。
 山形3区内3地区では、鶴岡田川地区選対本部長に志田英紀県議、酒田飽海地区選対本部長に森田廣県議、新庄最上地区選対本部長に伊藤重成県議がそれぞれ就任した。
 森田酒田飽海地区選対本部長は「大内氏への逆風はほとんど吹いていないのに対し、舟山氏は前回選のような野党統一候補ではなく、3期目を目指す立候補のため、(有権者に)飽きられている面もある。大内氏は昨年の県知事選を戦ったことで、当時より認知度も高まっていることから、接戦になりそうだ」と話す。

石川陣営

志位委員長が28日来県

 石川氏は、12日に山形駅東口で開いた党の街頭演説会で、市田忠義党副委員長と、比例候補者の岩渕友参院議員とともに政策を訴えた。沿道には約350人が集まり、インターネットの中継も約150人が見た。
 石川氏は「県内各地を回っているが、どの地区に行っても物価高騰が話題になる。給料も年金も上がらないのに、消費税ばかり上がる。この政治が日本の活力を奪ってきた。今こそ変えるべきだ」などと語った。
 市田党副委員長は「野党を名乗りながら、政府の法律案に全部賛成している党もある。これで野党と言えるのであろうか。本当の野党である共産党、真の野党候補である石川渉さんが、共闘を願っている人の思いに一番応えられるのではないだろうか」と語り掛けた。
 公示後は、28日正午過ぎに、中央から志位和夫委員長を招いて山形駅東口で街頭演説会を開く。庄内では酒田市に25日と7月1日に入り、一日中回る。鶴岡市には6月26日と7月2、7、8日に入り、2日は岩渕参院議員とともに街宣する予定。各地区委員会や党地区後援会の結束力を生かし、選挙戦に臨む。

黒木陣営

17日県内入りし街頭演説

 黒木氏は記者会見を6日に山形県庁で開き、立候補を表明した。
 主な政策として▼考えて学ぶ日本人の育成▼食と健康▼環境保全▼国の守り―を掲げた。山形県の課題には人口減少を挙げ、対策として、無駄な増税と国外への投資をやめて日本人の手取り収入を増やすことが必要、などと訴えた。
 山形県には17日に入り、街頭演説などを行う。事務所は山形市内に設ける予定。
 参政党はインターネットを中心に活動する政治団体で、2020年4月に結党した。松田学元衆議院議員、吉野敏明歯科医師、赤尾由美アカオアルミ㈱代表取締役会長が共同代表を務める。

小泉陣営

県内各地を自転車遊説

 小泉氏は出馬会見を5月19日に山形県庁で開いた。県内に事務所は設けず、選挙期間中は自転車で各地域を回る予定。

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