郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
Community News Web Site

鶴岡市議会
不適切受給の車賃など廃止
政務活動費の手引きを改定

 鶴岡市議会では、最大会派・新政クラブの5議員による政務活動費の不適切受給を受けて、「政務活動費の手引き」を7月12日に改定した。不適切受給で問題となった、自家用車利用時の車賃(ガソリン代)は今年度から支給をやめ、政務活動か私的な活動か明確に区別できない電話やインターネットの利用代金の一部支給、学費の支払いなども除外した=表参照=。しかし、議員でつくる市議会政務活動費検討会議が非公開で話し合って決めたことから、市民からは「第三者の声を取り込まず、自分たちで決めたことは疑問」「透明性を保つために、その都度精算することや、報告会の開催も考えては」といった声が聞かれる。(佐藤萌、土田哲史)

議員同士、非公開で決める

政務活動の手引きの主な変更点

 菅原一浩・市議会議長が設置した政務活動費検討会議は、不適切な受給をした5議員を審査した政治倫理審査会の委員長を務めた富樫正毅議員が、座長を務めた。会派代表や会計担当の議員10人で構成し、5月10日以降に非公開で計6回話し合い、改定案をまとめた。
 7月12日の市議会議員全員協議会で富樫座長が改定案を説明し、異議が無かったため、改定案を承認した。菅原議長は「手引きの趣旨を十分に踏まえ、政務活動費の適切な執行に努めていただくようお願い申し上げる」と話し閉会した。
 改定前の2019年4月版の政務活動費の手引きは9ページ=右表参照=。根拠法令や事務手続きの流れを示した①概要と、②項目別使途基準の中の共通項目と、研究研修費・広報費・資料購入費など10項目の内容を記していた。
 改定後の手引きは20ページ。内容は四つに分かれ、
 ①概要では「適正な運用と透明性の確保」の表記に下線を引いて強調するなどした。
 ②運用指針では、政務活動費は「政務活動に必要な経費として社会通念上、市民が十分理解できる妥当な金額の範囲内において」などの文言を加えた。
 ③会計処理では、不適切受給した車賃の領収書の宛名を、議員が自分で書いていたことなどを受け、「宛名が空欄のままでも政務活動と関連性があれば認めるが、できる限り領収書の原則の通り添付すること」と加えた。
 ④項目別使途基準の中の共通項目では、自家用車利用時の車賃を、改定前は「支出できる経費」に入れていたが、改定後は「支出できない経費」に変えた。
 他の10項目のうち主に変わったのは―
 「研究研修費」で支出できない経費に「大学、大学院及び専門学校等の学費」「資格取得に要する経費」を加えた。改定前は学費や資格取得の記載が無かったため、研究研修費として学費を払った例があった。
 「広報費」として支出できる経費から、会派や議員個人のホームページ作成と維持管理などの経費を外した。また支出できない経費に「政党で発行する広報紙」などを明記し、政務活動と政党活動の区別を強めた。
 「資料作成費」では、議員個人が使うパソコン、コピー機など事務機器のリース料や維持管理の諸経費は、政務活動に必要な資料作成に使うことを原則とする、と補足した。
 「資料購入費」では、書籍などは会派で共有するなど有効活用に努め、必要最小限の購入にとどめること。同一書籍の購入時には、領収書貼付用紙に理由、妥当性を記すこと、との留意点を加えた。
 「通信費」では、改定前は自宅パソコンのインターネット利用料、自宅固定電話料、携帯電話料などの4分の1を限度に支出できることになっていたが、全て支出できない経費にした。

市民の声を聞くべき

 こうした改定に対し、鶴岡市の60歳代自営業の男性は、政務活動費の不適切受給で問題となった車賃(ガソリン代)に加え、学費を対象外とするなど、支給対象を厳格化したことを評価する一方、「改定に第三者や市民の意見を取り込まず、議員が自分たちで改定内容を決めたことには疑問が残る。これで市民の声を聞く議会と言えるのか」と批判した。
 「政務活動費は、市民アンケートを取ったり、市民との意見交換会を開いたりするなど、もっと大きなことに使ってほしい。鶴岡市議会は市に政策提言を出していない。市の提案を審議するだけが議会の役割ではない」と指摘した。
 政務活動費を不適切受給した議員の処分を、議場での陳謝としたことにも「滋賀県高島市議会は、政務活動費を不正に受け取った議員を刑事告訴することを決めた。鶴岡市議会も刑事告訴がありうることを強く認識してもらいたい」と話した。

その都度精算と報告会を

 ある元鶴岡市議は「政務活動費は余るので、個人に割り振って使っていた。不適切な受給は厳密に言えば犯罪に当たる。家族を病院に連れて行くなどの使い方は全くだめ。使い方があいまいだったから、個人で使って得をするようなところがあった」と指摘した。
 政務活動費の不適切な受給を防ぐには、透明性を保つことが必要と話し、「領収書と、いつ何に使ったのかが分かる、目的と対象を記載した文書を保管することが必要。領収書を提出したその都度ごとの精算にすることも一つの方法。議会の責任として、議会が政務活動費の報告会を開いてもいいのではないか」と言う。
 一方で「政務活動費の支給対象が厳格化することで、政務活動が規制されることがあってはならない。正当な調査活動であれば、ガソリン代を支給してもよいのではないか。今の主流は政党政治で政党活動と個人の議員の活動は連動している。政党活動と議員の活動を分けることは難しい」と話した。

トップへ戻る