郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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山居倉庫で最後の新米出荷式
需給厳しいが回復の兆し

 全農山形県本部では2022年産「山形県産新米出荷式」を16日、酒田市の国指定史跡・山居倉庫で開いた。米倉庫として長い歴史を誇る山居倉庫での出荷式は、今年で最後となる見通し。庄内産はえぬきの玄米約26トンを積んだトラック2台が、県内の農協組合長や全農山形県本部職員などが見守る中、県内の精米工場に向かった。精米後、県内各地で販売される。

概算金は昨年より高く

庄内産はえぬきの玄米を積んだトラックが出発した
庄内産はえぬきの玄米を積んだトラックが出発した

 同本部によると、今年産米の生育状況は、田植え後の低温や8月の大雨などで少し遅れていたが、9月に入り回復した。今回出荷したはえぬきは、全量一等米で品質は良い。
 コロナ禍で需給環境はまだ厳しいが、販売環境は昨年よりは良く、在庫は来年に向けて改善する見込み。
 主食用米の作付け抑制が計画通りに行われたこと、肥料の値上げなど生産コストが上がっていることから、同本部が各農協に米の販売代金を仮払いする概算金は1俵(約60キロ)当たり、はえぬきが昨年より千円高い1万1千円、雪若丸も同千円高い1万1600円、つや姫は同500円高い1万6300円とした。
 今年の販売戦略は、つや姫は県産ブランド米として定着し引き合いも強いため、これまで通りに期待できる。雪若丸はデビュー5年目となり、県外での知名度を上げるためPRに努め、家庭用米としての定番化にこぎつける。はえぬきは外食産業用を主にしてきたが、少しずつ家庭用も拡大していく方針。
 出荷式では羽黒山の山伏が農作業や輸送の安全、高品質米となるように祈願した。折原敬一・同本部運営委員会長が「適期刈り取りで品質の良いおいしい米の収穫を祈念する。米を取り巻く環境は業務用に回復の兆しがあるが、需給は厳しい状況。生産コストは膨らみ、生産意欲が減退している。早期に販売して生産者の皆さんの付託に応えたい」とあいさつした。
 山居倉庫は1893年(明治26)に酒田米穀取引所の付属倉庫として、旧荘内藩主・酒井家が開設した。その後、庄内経済連、同本部が所有し、米倉庫として活用してきたが、役割を終え、現在は保管している米は無い。2021年3月に国指定史跡となり、22年度中に酒田市が買い取る予定。出荷式には酒井家18代当主の酒井忠久氏も来賓として参列し、あいさつした。

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