ふれあい給食
コロナ禍前より需要増加
高齢者世帯を見守る契機に
高齢者世帯の見守りを目的に、酒田市社会福祉協議会が同市全36学区で実施している「ふれあい給食」は、弁当を持って行く学区もあれば、乳酸菌飲料など補食を持っていく学区もあるが、総配食回数はコロナ禍前よりも増えている。担い手不足が課題となる学区が出てきている中、富士見学区では住民36人が協力して調理した弁当を年6回配っている。(編集委員・戸屋桂)
富士見学区は学区挙げて
酒田市富士見学区社会福祉協議会の「ふれあい給食事業」の第1回目が5月26日に行われ、学区の食生活改善推進員と福祉協力員、同学区コミュニティ振興会女性部などの12人が、旬の食材で栄養や彩りを考えて弁当を作った。
食改推進員や福祉協力員、女性部員が弁当を作った
栄養や彩りを考えて作った弁当
担い手不足が課題 市社協の補助金を増額
酒田市社会福祉協議会によると、ふれあい給食事業は「新・草の根事業」の一つで、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるように、地域で見守る手段として2006年度に始めた。市内全域の36学区社協すべてで取り組んでいる。
弁当を持って行く学区と、乳酸菌飲料など補食を持っていく学区があるが、見守りが必要な人を訪ね、生活状況を確認したり話を聞いたりすることが目的。昨年度は弁当と補食を合わせ市全体で7251食を配り、補助金総額は415万円だった。コロナ禍前の2019年度より約300食増え、需要は伸びている。
弁当の配布は少ない学区で年2回、年6~8回という学区が多い。弁当を手作りして配っている学区の中では、松陵学区が年10回と最も多い。泉学区では、弁当ではなく乳酸菌飲料を毎週月曜日に届けている。
一方、弁当を手作りできなくなり、業者の弁当に切り替えた学区や、弁当から補食に切り替えた学区もある。市社協では「やり方はさまざまでも見守ることが大切。手ぶらで尋ねるより行きやすく、関係づくりにもなる」と話す。
今年度から市社協の補助金を、弁当は100円上げて500円に、補食は50円上げて150円にした。
市社協では「調理する人や民生委員の担い手不足は、どの学区でも課題となってくる。現状や地域のニーズも聞きながら、地域の中で見守りが続けられるように考えていきたい」と話した。