夏の甲子園山形大会12日開幕
庄内10チームの抱負と陣容
第106回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の県予選となる山形大会が7月12~26日に県内各会場で開催される。出場する庄内の10チームの抱負と陣容を紹介する。文中敬称略。掲載は順不同。
※選手表の項目は左から背番号、守備位置、氏名、学年、身長、体重、投打、出身中学。わがチームNo1は①球速②遠投力③長打力(昨秋以降の本塁打数)④走力。
鶴岡東高校 攻守とも厚く絶対に優勝
攻守とも厚い選手層のチームを作り上げてきた。主戦候補の櫻井椿稀は140キロ台前半の直球とカーブ、スライダーが鋭く、安定したコントロールで内外角を攻める。杉浦朔は冬の投げ込みでコントロールを高め、130キロ台の直球とツーシーム、カーブ、スライダーで打たせて取る。打線は新規格のバットに慣れてつながりが出てきた。春季東北大会で2本塁打の日下心ら長打力のある打者も多い。小林優星主将は「絶対に優勝する。一つ一つのプレーを命がけの気持ちでやっていく」と話す。
酒田南高校 高い総合力で優勝狙う
春の県大会はベスト4にとどまったが、接戦を勝ち上がりチームに勢いがある。夏は高い総合力で12年ぶりの優勝を狙う。投手陣は、変化球に切れがある主戦の左腕・大久保慶人や、テンポの良い投球が持ち味の五十嵐海維と多彩な変化球が武器の小谷祐斗の両右腕など4人を擁し層が厚い。打線は広角に鋭い打球を放つ五十嵐と、バットコントロールにたけミート力のある黒山与力が中軸に座り、上位と下位に切れ目が無い。守備は機敏で強肩の捕手・長谷部のあを中心に、内外野とも穴が無い。
羽黒高校 6年ぶりに甲子園へ
テンポとキレで勝負する主戦の曽我瑠仁をはじめ、変化球が得意な本間丈斗、遠藤康太、前野大雅、佐々木豪心と、タイプの違う投手陣5人が意識高く各自の役割を果たす。
打撃では1番太田駿平、3番宮下拓夢、4番山科恢心を軸に、全員が引き付けて強くたたき、狙った球はフルスイングしていく。
考える野球を楽しめるようになり、ベンチでの会話が増えてきた。佐藤佑亮主将は「一人一人に自覚ができてきた。打ち勝って、6年ぶりの甲子園出場を目指す」と力を込めた。
酒田光陵高校 投打均衡 頂点目指す
投打にバランスの取れたチーム。私立の強豪校を撃破し、頂点を目指す。投手陣は、多彩な変化球で相手に的を絞らせない主戦の右腕・佐藤佑樹と、直球にカットボールが持ち球の右腕・佐藤怜生がマウンドを死守する。どちらも制球が良く安定感があり、三振も奪える。打線はパワーがあり勝負強い礒野凛太瀧、大場侑聖、佐藤佑が中軸を固め、下位にも長打力のある打者がそろう。守備はセンターラインを中心に内外野とも堅守が光り、特に強肩の中堅手・佐藤伶音は俊足で守備範囲が広い。
酒田東高校 強力打線で4強以上目指す
打力のある選手が多く、打ち勝つ野球でベスト4以上を目指す。打線は小技もできる俊足豪打の1番・阿部凉哉、長打力のある佐藤太誠と石垣憧汰、勝負強い尾形瑛智主将、強打が光る岸本悠二郎と上位に力のある打者がそろう。伝統の機動力も健在で、積極的な走塁を駆使し好機を広げていく。投手陣は、最速138キロの直球で三振を奪える主戦の本格化右腕・佐藤太を中心に、右上手投げの岸本と右横手投げの石垣がマウンドを守る。守備はセンターラインを中心に、内外野とも鍛えられている。
致道館高校 伝統継いで初出場
鶴岡南の伝統を継ぐ新高校として夏の大会に初出場する。豊田晃生主将は「初出場、初優勝を目指す」と気合は十分。冬に取り組んだウエイトトレーニングで打力が上がり、上位から下位まで切れ目の無い打線を組んだ。中軸候補の豊田主将、宇佐美佑樹、本間陽和、松浦大凱は長打力があり好機に強い。1、2番候補の佐藤授は公式戦長打率7割で広角に打てる。主戦の豊田主将は130キロ前半の直球と変化球をテンポよく投げる。佐藤陽太は120キロ台の直球とカーブ、スライダーで打たせて取る。
鶴岡工業高校 向上した守備で全国へ
内外野の連携不足を課題として、守備力の強化に取り組んできた成果、今春は失策が減り、連携が格段に良くなった。主戦・菅井遥は右横手から繰り出す130キロ台後半の直球に威力がある。二塁手・渡部岳が声を出して守備陣をまとめる。俊足の中堅手・伊藤巧馬は守備範囲が広い。攻撃では長打力があり好機に強い菅井の前に走者を出したい。上位打線の伊藤は出塁率が高い。保科陽希主将は「攻撃では足をからめて相手の隙を突き、しぶとく1点を取る。甲子園で校歌を歌いたい」と話す。
酒田西高校 声を出し楽しんでプレー
エースの佐藤颯良は右上手投げ、最速140キロの直球と変化球でコースを突く。左腕の遠田稼頭人は打者のタイミングをうまく外し、大川良太は力強い直球で押す。
俊足の1番大川が出塁し、パワーの4番遠田、長打力の5番佐々木為で得点につなげる。さらに打撃を強化してチャンスからの1本を確実にする。守備は球際に強い遊撃・髙橋幸汰主将、守備範囲が広い中堅・大川、柔らかいクラブ裁きの三塁・佐藤匠が安定。
髙橋主将は「声を出して楽しんでプレーしたい」と話した。
鶴岡中央高校 打ち勝つ野球で1勝を
清原純哉主将はストレートで押して三振も取れる。冬場以降の練習で球威も増した。変化球で打たせて取る菊地海音、共に制球の良い中里碧希と髙橋洸希、と投手陣は豊富。
打撃は波に乗ると一気に得点する。清原、五十嵐遥斗が出塁し、本間柊輔、五十嵐莉玖の中軸でかえす。下位打線に1年生が入り、うまくつながるようになってきた。
守備でも榎本尋と五十嵐研象の三遊間が安定し、楽しみ。
清原主将は「活気がある。打ち勝つ野球を目指し、1勝を上げたい」と意気込んでいる。
鶴岡高専 強化した打撃で8強以上
新規格のバットに合わせてミート力の強化に取り組んできた。打撃から流れを作って勢いに乗りたい。主戦の奥田大輔主将は低めに集める丁寧な投球で打たせて取る。小林瑠太は185センチの長身から投げ下ろす直球に威力がある。伊藤蓮と伊藤涼馬の二遊間は安定している。攻撃では1、2番の伊藤蓮と伊藤涼馬の出塁率が高く、中軸の渡部秀梧は鋭い打球を広角に打てる。土門和生は思い切りの良いスイングが持ち味。奥田主将は「チーム一丸となって戦いたい。8強以上を狙う」と意気込む。