酒田市飽海郡区
新人2人の一騎打ちの公算
県議補選 17日告示、26日投開票
昨年10月の第50回衆議院議員総選挙に立候補した石黒覚前県議会議員の辞職に伴う酒田市・飽海郡区(定数5で欠員1)の県議会議員補欠選挙は、1月17日の告示(同26日投開票)まで1週間余りに迫った。同補選には、立憲民主党公認で酒田市職員労働組合執行委員長の佐藤寿氏(47)と、自民党公認で前酒田市議会議員の佐藤喜紀氏(49)が立候補を表明。選挙戦は新人2人による一騎打ちの公算が強まっている。告示を前に、両陣営の最新の動向と本紙が行ったアンケート調査の結果を掲載する。
佐藤寿氏は昨年11月に出馬を表明し、酒田市東中の口の後援会事務所で12月14日に事務所開きを行った。毎朝、辻立ちをして知名度向上に努め、石黒前県議の後継として、石黒氏とともに支援者へのあいさつ回りを続けている。
酒田市職員労組をはじめ、連合山形酒田飽海地域協議会を作る各労組が結集して基礎票を固めている。県政与党「県政クラブ」の江口暢子県議、酒田市議会では労組系の「市民の会」(後藤泉会長・2人)と「市政研究会」(齋藤美昭会長・2人)が協力議員団として支援する。
地元の平田地域を中心に政党や労組票だけでなく、地域票の取り込みも図る。
佐藤喜紀氏は、昨年12月19日に立候補を正式に表明した。1月11日に同市東大町1丁目の旧きらやか銀行東大町支店跡で、後援会事務所開きと決起大会を行い、臨戦態勢を整える。
同党の森田廣県議会議長と梶原宗明県議の後押しを受け、無所属の阿部ひとみ県議にも支援を要請した。酒田市議会では、自民党と公明党で組織する最大会派の「新政会」(進藤晃会長、9人)と、団体の「令和会」(市村浩一会長、2人)、無会派1人からも支援を受ける。
地盤とする西荒瀬地区を中心に、最上川以北の旧市郊外周辺地域を固め、支援を受ける県議や市議などを足掛かりに、旧市中心部や最上川以南の川南地区、旧3町地区などで浸透を図る。
立候補予定者アンケート回答
本紙では各立候補予定者に、3問にそれぞれ150字以内で回答してもらった。掲載は五十音順、敬称略。
佐藤 寿(47)
立憲民主党公認・新
酒田市中野俣
松山里仁館高校卒
酒田市職員
[1]吉村県政に対する評価をお聞かせください。
東日本大震災、新型コロナウイルス感染症、豪雨をはじめとする度重なる想定外の自然災害等への対応や施策は的確で機敏。県民生活を守るための心の通う「あったかい県政」を進める姿勢を評価している。災害復興、物価高騰対策への予算対応、空港・港湾への投資、ゼロカーボンやまがたの取り組みなど期待が膨らむ。
[2]庄内地方と内陸地方の社会基盤等の格差が広がっているとの声が少なくありません。当選したら、どのように対応されますか。
県内地域それぞれ異なる特性がある中、我が地域には県内唯一の重要港湾が存在する。他地域と比較すれば膨大な金額が投資されており、ここを基軸に関連する社会資本整備を大きく前進させる必要がある。私も酒田港で働いて肌で感じている。同時に外航クルーズ船誘致など、地域特性を生かした観光振興に取り組む。
[3]当選したら、第一に力を注ぐことは何ですか。
まず災害復興に取り組み、賃金上昇と経済好循環を目指す。若者の仕事があり、子育て世代を中心に賃金が上がり、起業と承継が実行されることが必要と考える。酒田市・遊佐町をはじめ庄内でここが大きく前進すれば、人口減少に歯止めがかかる。地域の農林漁業、地場中小企業に活力が必要。ここを支える制度を進める。
佐藤 喜紀(49)
自由民主党公認・新
酒田市穂積
酒田南高校卒
農業
[1]吉村県政に対する評価をお聞かせください。
県土の均衡ある発展という視点から、あまり評価できない。県営スポーツ施設が県内にバランス良く配置され、県民誰もが等しくスポーツに親しむ環境が整っていない点や、内陸偏重の社会基盤整備が続いたため高速道路の未接続区間があり、本来の物流機能が発揮できていない。高速道路をつなげ、酒田港を起点とした物流の将来展望の検討が急務と考える。
[2]庄内地方と内陸地方の社会基盤等の格差が広がっているとの声が少なくありません。当選したら、どのように対応されますか。
道路整備では、各路線に配分する県負担金の見直しを強調し、早期の全線開通を目指す。山形新幹線庄内延伸は、庄内地域への米沢トンネル(仮称)の整備効果を高めるために欠かせないものであり、県土の一体的な発展にも繋がるため、事業化の実現に取り組む。エネルギー政策の推進に向け、港湾の再整備による工業用地の造成など新産業の創出に取り組む。
[3]当選したら、第一に力を注ぐことは何ですか。
災害に強い県土づくりに取り組む。急激に進む気候変動により災害が激甚化しており、県管理河川の流下能力向上対策として河川のしゅんせつと改良復旧を行うとともに、巡視、監視のできる堤防の整備を目指す。水系・流域が一体となった洪水予想の精度向上や危機管理型水位計を早期に整備し、地域住民の避難を促進する情報発信の確立に取り組む。