郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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県議選まで半年②
決定打欠く人口減対策、回答は多様
本紙独自 庄内選出の現職県議に聞く

 来年春の統一地方選で行われる山形県議会議員選挙(3月29日告示、4月7日投開票予定)まで半年を切った。本紙では9月中旬〜10月中旬、庄内地域選出の現職県議10人を対象に独自のアンケート調査を実施し、考え方などを探った。質問は、庄内地域が抱える各種の問題を中心に計12問。鶴岡市区選出の阿部昇司氏(67)を除く9人から回答を得た。前号に続く2回目は▼人口減少▼農業▼エネルギー▼観光▼中高一貫校―に関する5問の回答を載せる。(掲載は鶴岡市区、酒田市・飽海郡区、東田川郡の順、五十音順)

子育て環境の整備が最多

 国立社会保障・人口問題研究所が発表した日本の地域別将来推計人口によると、2045年の庄内2市3町の人口は計17万3692人。15年の27万9497人から30年間で10万5805人37・9%も減り、地域社会の活力低下や持続可能性を危惧する声が聞かれる。
 これを踏まえ「地域の社会基盤や構造をどのようにすべきか。今から取り組むべきことは何か」を聞いた。
 その結果、最も多かったのは医療や教育、福祉、住宅などを含めた子育てしやすい環境の整備で、9人のうち4人が挙げた。高速交通網を含む社会資本の整備が3人で続き、以下、地方自治体の連携強化と地域で循環する経済の仕組みづくりが各2人の順だった。
 そのほか▽国民の暮らしを何よりも大切にする政治へ、国政の根本転換が不可欠▽大学を含む高等教育機関の環境整備が最も重要▽地域コミュニティが成り立つように、自助公助共助の役割分担と取り組みを充実させる必要がある―などの意見があった。
 人口減少対策には決定打が無いのが実情。そうした現状を反映して9人の意見は多岐にわたり、問題を解消することの難しさを改めて浮き彫りにした。


県産米のブランド力向上を

 米国を除く11カ国が参加する環太平洋経済連携協定(TPP11)が12月30日に発効することになり、減反政策が今年から廃止になるなど、農業を取り巻く環境は大きく変化している。
 こうした状況を踏まえ「庄内の基幹農作物・水稲の今後の方向性はどうあるべきか。どういった庄内農業を形成していくべきだと考えるか」を尋ねた。
 水稲の今後の方向性では、9人のうち3人が県産米のブランド力向上または高価格米の生産を挙げ、米の輸出が2人で続いた。
 庄内農業の形成では、9人のうち4人が園芸・特産品の品種改良や付加価値づくりへの支援充実またはハウス栽培による経営安定化などに言及。同じく4人が農業形態の集約、集積、法人化や大規模経営、水田の再整備などに触れた。以下、2人が稲作と園芸などとの複合経営を取り上げた。
 ほかに▽山形大学農学部や慶應義塾大学先端生命科学研究所を活用して6次産業化を急ぐ▽新規就農者の経営持続支援に加え親元就農支援策を実現する▽都会の就学児童・生徒に塩おむすびのおいしさを食育で教える▽他産地より先に売れ筋作物を市場に出荷するサイクルを確立すべき―といった意見もあった。


県エネルギー戦略を評価

 山形県が再生可能エネルギー(再エネ)による県内の発電量拡大を目指して、県エネルギー戦略を策定してから今年9月で6年半が経った。開発目標101万5千キロワットに対し、2016年度末時点の開発量は累計約47万キロワットに上るが、電源別の目標値と開発量との間に見込み違いが生じている。
 そこで「電源別の開発目標値や県エネルギー戦略そのものをどう評価しているか」を聞いてみた。
 結果は、9人のうち1人が電源別の目標値を認めるとし、残る8人は可否に言及しなかった。また県エネルギー戦略への評価では、9人中6人が条件付きを含めて評価または妥当・極めて意義深い・進めるべき・自然エネルギーを活用するべきと答え、残る3人は評価には言及しなかった。
 県議からは▽地元資本による発電事業への参入による地域還元の促進▽地域の資源を住民が生かして地域振興を実現するという趣旨に合わない事業への支援はやめ、住民主体の事業への支援を拡充▽利益が県外に逃げないよう、地元資本の企業を育成―するなどといった、再エネ開発と地元のあるべき姿について提言も寄せられた。


観光関連組織の一本化必要

 大型外国クルーズ船の酒田北港への寄港などを背景に、外国人観光客が来庄する機会が増えている。しかし日本人観光客の誘客も含め、庄内では5市町や一部地域がそれぞれに誘客活動を行っている感は拭えない。
 こうした現状を踏まえ「関連組織を一本化して協力すべきだと思うがどう考えるか」を尋ねてみた。
 その結果、9人全員が賛成または必要・すでに進めている、と回答した。
 関連して▽学生や生徒のボランティアも好評であり、授業に差し支えない範囲で参加してもらえばいい▽観光支援として県内での連泊観光客に宿泊費を補助して、県内観光地を回ってもらうような事業を展開できればと考える▽クルーズ船寄港による利点を、業者だけでなく、地域に還元しない限り地域住民の理解は得られず、広がりを欠くことになる▽庄内の観光関係者は来年の新潟県・庄内エリアディスティネーションキャンペーンに向けた取り組みの経験値を生かし、地域資源の発掘、ブランド化に取り組んでほしい―といった意見があった。


中高一貫校で賛否割れる

 県教育委員会は、県立鶴岡南、北両高校を統合し、県立中学校を併設した中高一貫校を設置する計画を進めているが、丸山至酒田市長や庄内住民の間から計画の見直しを求める声が出ている。これを踏まえ、鶴岡市への中高一貫校設置を「どう考えているか」聞いた。
 結果は、9人のうち4人が中高一貫校設置に否定的または消極的な見解を示し、2人が肯定的または積極的な考えを主張、2人が東桜学館校や設置の長所短所を検証・再検討する必要があると答え、1人が庄内全体で考えるべきと回答した。
 否定的または消極的な理由には▽進学校の中高一貫校化は、家庭の経済力によって格差を生む中学受験戦争をもたらす▽行程表ありきの進め方ではなく、なぜ今、鶴岡に必要なのかを、もっと丁寧に説明する必要がある▽生徒減少に悩む市町立中学校は、県立中学校の新設でさらに厳しくなる―などが挙がった。
 一方、肯定的または積極的な理由には▽質の高い教育環境が整う期待がある▽庄内の子供たちに多様な進路の選択肢を整えることは重要▽庄内への子育て世代の移住が進むことが期待できる―などが挙がっている。

アンケート質問文

問6 庄内の人口は2045年には現在の3割減という予測がある。人口減少を見据えた地域の社会基盤や構造をどのようにすべきか。そのために今から取り組むべきことは何か

問7 庄内の基幹農作物・水稲の今後の方向性はどうあるべきか。一方で畑作物の売上が増えているが、どういった庄内農業を形成していくべきだと考えるか

問8 山形県エネルギー戦略は、再生可能エネルギーの開発目標101万5千キロワットに対し、開発量は約47万キロワットに上っている。しかし、電源別ではバイオマス発電が目標値を大きく超え、風力発電は低水準な状態にある。また、これらの発電施設は庄内地域への設置割合が極めて高い。一方で風力発電に偏り過ぎた電源別の開発目標を問題視する声も聞かれる。電源別の開発目標値や県エネルギー戦略そのものをどう評価しているか

問9 外国クルーズ船の寄港が増え、外国人観光客の来庄が増えているが、日本人観光客の誘致も含め、庄内では各自治体や地域がそれぞれに誘客活動を行っている感が否めない。関連組織を一本化して協力すべきだと思うがどう考えるか

問10 県教委は鶴岡市への中高一貫校設置を計画しているが、酒田市長や市民からは見直しを求める声が出ている。どう考えているか

阿部 信矢氏(72) 鶴岡市区/無所属・7期目

問6 人口減少は大きな課題である。しかし、人口は今すぐに増やせるものでないのも事実。まずは若者が地元に定着できるように、働く場の確保や社会資本の整備に力を注ぐべきである。また、人口が減っても地域コミュニティが成り立つように、自助、共助、公助の役割分担と取り組みを充実させる必要がある。

問7 庄内の農業は水稲を中心に取り組んできた。その結果、果樹や野菜の栽培が盛んな内陸と比べ、高付加価値化の面で格差が広がっている。今後は山形大学農学部や慶應義塾大学先端生命科学研究所を活用して6次産業化を急ぐとともに、「食の都庄内」のブランドを生かしてメロン、枝豆、軟白ネギ等でGI(地理的表示)を目指すべきである。

問8 本県の再生可能エネルギーの開発は、木質バイオマス発電の開発量が目標値を超え、メガソーラーの設置数も多い。一方、風力発電の開発は遅れているが、酒田市で県と同市が3基ずつ計6基、鶴岡市で民間企業が6基を整備する計画が進んでいる。全体としてはおおむね順調である。地球温暖化を抑制する観点から評価したい。

問9 地域の人口が減少する中で、交流人口を増やす観光誘客は欠かせない。その意味で、外国クルーズ船の酒田港寄港は庄内にとって歓迎すべきことである。庄内の豊かな自然環境や歴史、文化、風土、食をPRし、世界に売り込む絶好のチャンスとなる。特色あるまちづくりを進めている庄内の各市町が連携して取り組むべきと考える。

問10 鶴岡南高校と鶴岡北高校を統合して県立中学校を併設する「庄内中高一貫校」(仮称)の設置に賛成である。今回の県立高校再編整備計画の目的は、2015年度から10年間で入学定員を8学級程度削減すること。中高一貫は東根市の東桜学館でも取り組んでいて、質の高い教育環境が整うと期待する。ただ、地域に対しては丁寧な説明が必要である。

佐藤 聡氏(50) 鶴岡市区/自由民主党・1期目

問6 将来に不安があると、若者は結婚や出産をためらい、人口減少が加速する。若者を地域に呼び込み、いつまでも住み続けたいと思えるよう、希望と安心感を与える施策には集中的に投資することが必要。一方、行政の効率化や公共施設の統合、医療・介護需要に合わせた地域医療体制の再構築など、人口減少の実態を見据えた改革を進める必要がある。

問7 主食用米は銘柄、産地で売れ行きは大きく違う。「つや姫」「雪若丸」「はえぬき」など県産米の食味や品質を向上させ、ブランド力を高めて需要を拡大し、需要に応じた生産で価格を維持する。庄内地方は、収益性の高い園芸農業とブランド米生産との複合経営が確立されている。今後は、より市場が求める園芸産品の導入、作業の効率化に取り組む。

問8 「県内の生活や産業に必要な電力を、地域の中で生み出す」山形県エネルギー戦略の基本的な考えは妥当であると考える。小中水力発電の開発、バイオマス発電の分散配置、風力発電適地への設置、地元資本による発電事業への参入による地域還元を促進が課題である。また開発にあたっては持続可能性や環境に十分留意しながら進める必要がある。

問9 来年の大型観光誘客事業である「新潟県・庄内エリアディスティネーションキャンペーン(DC)」に向けて、今年はプレDCが展開されている。DCへの取り組みは庄内エリアの観光関係者が連携を深め、庄内の魅力をいかに発信していくかを考える好機となる。この取り組みの経験値を生かし、庄内の地域資源の発掘、ブランド化に取り組んでほしい。

問10 庄内に生まれ育つ子供たちに対して、教育環境の充実を図り、多様な進路の選択肢を整えることは重要である。また、庄内への移住やUIターンを考えている子育て世代にとって、子弟の教育環境も重要な要素なので、中高一貫校の設置によって移住が進むことが期待できる。少子化の流れが当面続く中で、中高一貫校設置は前向きな取り組みである。

志田 英紀氏(68) 鶴岡市区/自由民主党・6期目

問6 地域社会の基盤整備はもちろんだが、医療、教育、福祉、住宅等の環境整備や充実、交流人口の拡大等、総合的な施策の展開が必要と考える。一方、地方自治体の連携強化の中で広域的な取り組みも求められる。人口減少を解消することは、大変難しいが、抑制のための取り組みは可能と考える。

問7 団塊の世代の現役交代が進み、稲作農業も大きな変化を余儀なくされてくる。稲作プラス園芸等の経営が、一般的にもなってくる。より一層の農業形態の集約、集積、法人化等を進め、稲作の省力化により生み出される能力を園芸等にシフトし、生産性向上を図る。そうした環境づくりに取り組む。

問8 県のエネルギー戦略については、その努力を評価するが、ある時期における検証や、それによっては見直しも必要になるかもしれないと考える。FIT(固定価格買取制度)は期限があることもあり、特に風力発電企業が撤収する際には、装置を撤去するか不安もある。地元との契約にも明記項目がないのが現状である。

問9 庄内エリアの市町は、外航クルーズについて広域的な取り組みを進めている。また、先の北海道・東北6県議長会でも、北海道と青森県の観光連携事例を拡大、ラグビーW杯(岩手県会場)、東京オリンピック・パラリンピック(福島県会場)も見据え、北海道・東北の連携の在り方が議論された。「広域連携」がキーワードである。

問10 県内唯一の東桜学館校をしっかり検証し、新たな中高一貫校設置の判断材料にすべきである。また、広島県では、新たなスタイルの公立中高一貫校を目指しているが、そうした考え方も検証すべきと考える。一番大切なのは、子供たちの親たちがどのような考えなのか、しっかりと意見を交わすことが肝心である。

関 徹氏(58) 鶴岡市区/日本共産党山形県議団・1期目

問6 世界でも異常な日本の少子化は不可避の社会現象ではなく、自民党政治の総合的失敗の産物。子育てしながら働ける労働環境と子育ての経済的負担の軽減、真のジェンダー平等などに県として政策充実を図ると共に、欧米水準の少子化対策のために、国民の暮らしを何よりも大切にする政治へ、国政の根本転換が不可欠。

問7 高価格米の生産と共に、全国に誇るべき有機栽培米を生かす。枝豆、メロン、果樹、在来作物など、長年の努力で育ててきた成果を伸ばす、きめ細かな支援を充実させる。集落営農など大規模経営の発展と共に、家族経営の維持・発展を図ることも重要。新規就農者の経営持続支援に加え、親元就農支援策を実現する。

問8 原発に頼らない社会を目指すという理念は極めて意義深いが、再生可能エネルギーの真価はそこにとどまらず、地域の資源を住民が生かして地域振興を実現することにある。その趣旨に合致しない事業への支援はやめ、住民主体の事業への支援を思い切って拡充する。原発廃止、持続可能な低エネルギー社会へ国施策の転換を求める。

問9 各観光協会等の各地域の自主性と創意に基づく取り組みは大変貴重。その上で、近年進められている観光誘客のあり方の研修と政策形成をさらに進め、より効果的な対策の推進のために協力体制の構築を丁寧に議論して進めるべき。

問10 進学校の中高一貫校化は、子どもの成長の障害となり、家庭の経済力による格差を生む中学受験競争をもたらす。「都会では普通」と言う論があるが、受験競争の低年齢化と「学力」による学校の序列化は、日本の教育の失敗であり追随すべきものではない。地域の百年の計であり、年度内に決めるべき事ではない。

石黒 覚氏(62) 酒田市・飽海郡区/立憲民主党・2期目

問6 大学を含む高等教育機関の環境整備が最も重要。庄内は鶴岡を中心としたバイオテクノロジー先端生命科学分野で世界から注目され、21世紀の産業革命のシーズがいくつも育っている。その取り組みを行政がしっかりと支えるシステムを作り、人、教育、文化、モノ等の交流拡大から、金が地域で回る好循環を構築し、世界の若者が目指す庄内をつくる。

問7 認定農業者等規模拡大農家を中心に農協の新たな役割を確立するとともに、農業のビジネスチャンスを開拓するための、行政も一体となった新たな時代の農業基盤整備が必要。特に米は酒田港からの海外展開が喫緊の課題。一方で畑作の重要性は言うまでもないが、労働力が要となる点から、若い人が挑戦しやすい環境づくりを急ぐ必要がある。

問8 県エネルギー戦略に掲げた「2030年度101.5万キロワット」のうち、18年3月末現在49.9万キロワット(計画含む)と、吉村知事提唱の卒原発を起点とした再生可能エネルギー推進は順調に推移している。うち風力発電は7.4万キロワット(16.2%)と低迷している。庄内海岸地域の風況は風力発電の適地だが、今後は県民理解を前提に県内各地への展開が期待される。

問9 仙台空港を中心としたインバウンドの観光客は、山形県を含め近隣県を周遊するルートが拡大している。観光は点ではなく、面的視野に立たないと成立しない時代との認識が必要。さまざまな組織の一体化も含め、一体的誘客活動を展開すべきである。県内一体、近隣県一体が不可欠。今年のプレDC、来年のDC本番が起点となる取り組みが必要。

問10 ロードマップありきの進め方はいかがなものかと思う。なぜ今、中高一貫校が庄内鶴岡に必要なのかを、もっと丁寧に説明する必要がある。義務教育課程からの受験競争が、庄内地域の教育に及ぼす影響等について、先行スタートしている東桜学館中高一貫校の詳細なデータ分析を見るべきと考えるが、まだまだデータ集積には至っていない。

佐藤 藤彌氏(75) 酒田市・飽海郡区/自由民主党・5期目

問6 人口減少問題は避けることができない社会的な現象。庄内は、若年層に転入超過のデータもあるが、人口減が止まるようなものではない。地方創生は高速交通網の基盤の上に成り立つもので全力を傾注しなければならない。そして、経済が地域で循環できる価値を生み出す知恵が必要。地産地消や再生可能エネルギーの惹起、観光振興などで頑張る。

問7 園芸・特産物は価格競争を勝ち抜いて今日がある。品種改良や付加価値づくりの支援が大切。水稲はこれから自由化にさらされる。農業者の高齢化は待ったなしで進み、受けてのいない水田が放置されることが無いよう、水田の再整備が緊急の課題である。県農村整備課によれば、オーダーメード型の水田再整備を整えるようだ。省力化で生き残るしかない。

問8 小水力発電は地形で限定的だが質が高い。風力発電は景観や自然への影響も考えられるが、自然エネルギーを価値のある電力に変える意義は大きい。風の強い庄内が担うべき。洋上風力発電も視野にある。バイオマス発電は、燃料材を海外に依存せざるを得ない。酒田港周辺は最適地となる。太陽光発電は急速に伸びたが、変動が大きく課題もある。

問9 外国人観光客が何を求めて来るのか。それを市民に周知させることが大切である。それを理解した上で、どんな対応がリピーターを生むのかを皆で考えることができる。学生や生徒のボランティアも好評であり、授業に差し支えない範囲で参加してもらえばいい。観光ガイド協会の強化も必要であり、もっと手厚く連携し、情報を共有する必要がある。

問10 中高一貫校の設置を否定するものではない。しかし、狭い庄内地域となると問題は山積する。生徒減少に悩む市町立中学校は、新たな県立中学校の新設でさらに悪化する。それが、どの中学校の誰が何人行くのか推測ができない。再編を終えた酒田飽海の高校の再々編につながる秩序崩壊の危険もある。何のために誰のために強行するのか理由が分からない。

星川 純一氏(71) 酒田市・飽海郡区/自由民主党・5期目

問6 人口減少は首都圏を除いて全国的な傾向であり、食い止めることは不可能と思われる。共稼ぎ世帯が大多数の中で、生み育てやすい環境の整備、職場内の保育施設の整備推進、保育士の待遇改善等に努めていく。

問7 農業従事者の高齢化や稲作機械の経費負担等から、稲作の委託が増加している。反面、委託を含めて面積を増やし、規模を大きくしている農家もある。全国的にみると庄内は農業後継者が多い地域なので、今から農協主体で集約化を進める必要がある。また、ハウスでの花や果実、野菜の栽培による経営安定化が重要と思われる。

問8 山形県内の電力使用量約140万キロワットに対して、酒田共同火力の発電量が70万キロワット、再生可能エネルギー発電が47万キロワットと、約23万キロワット不足している。県の目標とする再生可能エネルギー発電量の101万5千キロワットが達成できれば、県内自給が可能になるので、再生可能エネルギー開発を進めるべきと考える。

問9 関連組織の一体化による観光客誘致は必要なこと。しかしながらクルーズ船の場合は時間的な制約があり、広範囲に移動できない。移動可能な範囲での連携が必要である。また北海道胆振東部地震の際は、観光事業を支援するために宿泊費を補助した。県内での連泊観光客に宿泊費を補助して県内観光地を回ってもらうような事業を展開できればと考える。

問10 中高一貫校設置のメリット、デメリットを再検討する必要があると考える。県議会でも議論され、まだ結論が出ていない。少子化に伴う統合は必要だが、教育の質の低下はあってはならないこと。慎重に時間をかけて検討していく。

森田 廣氏(68) 酒田市・飽海郡区/自由民主党・5期目

問6 本来、国家戦略の位置づけの中で考えることであり、アンケートで回答することではないと考えるが、私見として言えば、中間自治体としての「県」から広域自治体としての「県」への変革が必要と思われる。

問7 水田は環境対策でもある。温暖化が進む中、おいしいお米の南限の地になる可能性がある。適地適作のあり方をもう一度組み立て、庄内米の再ブランド化も必要だが、都会の就学児童・生徒に「白いご飯は味がついてないからおいしくない」と言わせるのではなく、塩おむすびのおいしさを食育で教えなければだめ。

問8 なぜ庄内地域に発電施設が多いのか、それは海が近く冷却水の調達が容易であること。そして酒田共同火力があるおかげで送電線が整備されているから。風力発電は自然頼みのところはあるが、そのために燃料がいらないからランニングコストが安い。計画としては当然一番に考えられる。開発目標にとらわれずフレキシブルに考えるべき。

問9 当然一本化すべき。ただし、鳥海山・飛島・本間家旧本邸や美術館・鐙屋邸などのコンテンツをしっかり整備する必要がある。

問10 生徒の減少が確実な中、試行としては評価できる部分がある。しかし、なぜ鶴岡なのかが説明されていない。設置された場合、鶴岡まで通学するわけだが、優秀な児童でも通学できない場合が考えられる。中学は義務教育であり、例えば親の所得差が学習環境の差になることは避けるべき。

田澤 伸一氏(68) 東田川郡区/自由民主党・5期目

問6 庄内地区2市3町がそれぞれ作成した人口ビジョンを参考にしながら、例えば、行政がゴミ処理を行う場合、一緒にできるものは一緒に行い、各自治体が単独で行なった方がいいものは各自治体で行うよう区別し、二重投資を避け、少ない資源を有効に活用する。

問7 庄内は、米の適地だが、消費の減少で売上も昭和50年代の1000億円から、400億円以下に減ってしまった。米価の維持が可能なら輸出も選択肢。現状では、畑作も可能な水田の汎用化を進めながら他産地より先に売れ筋作物を市場に出荷するサイクルを確立すべき。そのためには市場調査や新品種導入等に資源を集中する必要がある。

問8 再生可能エネルギーは地域に由来する自然の恵みなので、内訳は、太陽光、風力、水力、木質バイオマスにこだわらずPDCA(計画、実行、評価、改善)を行いながら、風土に適した自然エネルギーを活用すべき。但し、利益が県外に逃げないよう地元資本の企業を育成すべき。開発目標値は、人口や企業数に特段の変化がない限り現数値でいいと思う。

問9 ようやく大型クルーズ船の寄港が実現した。試行錯誤のところもあるが、回数を重ねるうち庄内のクルーズ船を迎える形が形成されると思う。組織を一本化して取り組むのは賛成である。ただ、クルーズ船寄港によるメリットを、業者だけでなく、地域に還元しない限り地域住民の理解は得られず、広がりを欠くことになるのではないか。

問10 酒田市の高校には「探究型」が設置された。「中高一貫」「探究型」さらには「第3の途」も考えられる。それぞれメリット、デメリットがある。教育は有為の若者を輩出するためのもの。国内外で活躍できる人材を育てる意味でも教育は「自治体間の問題」として捉えずオール庄内で考えるべき。


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