郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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鶴岡市文化会館
市長、副市長の月給減額議案、提出へ
市議会の動向に注目集まる

 鶴岡市新文化会館建設に関する第三者調査・検証専門委員連絡会議(峯田典明座長、以下検証会議)が、市議会の議決を得ずに市が文化会館の工事変更を指示したことの違法性や文書管理の不備を指摘したことを受け、皆川治市長は26日、来年1月から市長は任期4年間分の月給の3割分を33カ月かけて、建設当時監査委員だった山口朗副市長は月給を2カ月間2割それぞれ削減する議案を、市議会12月定例会に提出すると発表した。これに対し一部の市議や市民からは、市議会の対応や市民への説明に不満の声が上がっている。(土田哲史)

最大会派の賛否は不透明

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議案を説明する皆川市長(左)と
山口副市長

 市議会第二会派・市民クラブ(小野由夫代表、市議5人)の小野代表は26日、本紙に「提案予定の月給減額案などは、市長の意向として妥当なものと受け止めている。近日中に代表者会議を開き、新政クラブや政友公明クラブなどの考えを確かめたい。開館までの対応をめぐっては、市民の間から『市議会は行政の監視機能を果たしていない』との批判の声が寄せられており、代表者会議では市議会としての責任の取り方を盛り込んだ提案も行いたい。12月定例会できっちりと責任を取るよう対応しなければ、市民は納得しないのではないか」と話した。
 同会派の石井清則市議は「市長の月給減額は市長が決めることであり、選挙公約にも掲げていたもの。今回の市の対応はおおむね妥当だと思う。一方で議会はチェック機能を十分に果たせなかったことは事実。議会としての責任の取り方と改善策をどう示すか。今後の議会で問われることになる」と話した。
 日本共産党鶴岡市議団(加藤鑛一団長、同5人)の加藤団長は27日、「検証会議が指摘した瑕疵のある議案を議決したことは議会の責任。議会と市議は、市民に対して自らの見解をしっかりと説明するべき。まずは会派代表者会議を開いてもらい、議論していきたい」と話す。
 最大会派の新政クラブ(小野寺佳克団長、同16人)の対応は27日時点で不明だが、一部の市議は月給減額案に難色を示しており、市議会12月定例会で賛成するかどうかは、不透明な状況となっている。小野寺団長は27日、「今の段階では拙速であり、コメントは控えたい」と話した。
 政友公明クラブ(富樫正毅代表、同4人)の富樫代表は27日、「市長の意向を尊重する気持ちはあるが、さまざまな問題点や課題を考えている部分もある。会派としてどう対応するか、代表者会議の議論や会派内の会議を踏まえて検討したい」と慎重な姿勢を示した。
 市長報酬の削減を巡っては、皆川市長が17年10月の市長選の公約に掲げ、17年の市議会12月定例会に6カ月間3割削減の議案を提出したが、総務常任委員会で否決され、期間を任期中の4年間に修正する方針を示した。しかし、新政クラブと政友公明クラブの反対多数で否決された。
 両会派の当時の反対理由を、小野寺団長は17年12月22日の市議会本会議で「公約の正当性に疑問を感じる。皆川市長が責任を取る合理性は無い。関係幹部職員などの責任の検証をまずは進めてもらい、その検証結果を基に熟慮して減額の理由と期間を再考し、改めて条例改正案を提案してもらえればよい」と述べていた。
 政友公明クラブは秋葉雄市議が反対討論で「皆川市長は新文化会館の建設事業には一切関わっておらず、行政責任はない。しかるべき調査を終了し、その上でほかの特別職の給与との整合性も総合的に勘案して精査した上で、再度提案するのが妥当」と話した。


市民の声

保守系市議が何も言えない

 鶴岡市民の反応を聞いた。
 60歳代の男性経営者は「工事費を増額して建設することに多くの市民が反対の意向を示していたが、そうした声を分かっていながら事業を進めた市議会の責任は大きい。背景には国会議員や前市長とその一部有力支援者たちに対し、保守系市議が何も言えないという鶴岡の政治風土がある。これでは良くならないのは当たり前」と指摘した。
 60歳代の女性経営者は「現市長がこうして文化会館の問題を収束しようとしていることを、市議会も認めるべきだと思う。そうでないと文化会館建設当時の市議会の責任はどうなのかという話になる。文化会館はすでに開館して市民が利用している。建設費増額の責任を取り、建物の不備は直せるものは直して対応するしかない。これからは市民の利用しやすさ、どう活用していくかを考えていく方が良いのではないか。例えばトイレの表示は分かりづらいため、催しの際は立て看板で場所を知らせている。職員教育を含め、気持ちよく使える文化会館にしてほしい」と話す。
 70歳代の無職女性は「第三者委員会の答申に対して、現市長が責任を取って減俸するのは仕方がない。市議会が反対するとしたら、どう責任を取るのか対案が必要。前市長の責任を市議会として問い、自らも責任を取ればいい。議員一人一人が責任を持って市民の声を聞き、検証するくらいしてもよいのではないか。それと第三者委員会の検証事項に、利用者目線の項目をもっと入れるべきだった。市民が大勢利用しているが、客席で子供から高齢者までが転倒している。通路に介添えのボランティアを配置したが、それでも高齢者2人が転んだ。利用した市民の話を聞き、改善が必要な点の解決策を探るべき」と指摘した。
 50歳代の男性会社役員は「借金を背負うことになる若い世代がかわいそう。市長の報酬カットは公約としていた以上当然だが、負債に対しては微々たるもの。根本的な解決策にはならない。負の遺産にしないためにも、例えば文化会館の価値を高められる影響力のある人を広告塔にするなど、何らかの活用策を講じてほしい」と話した。


公文書管理条例の策定へ

 月給削減議案は、市長は2019年1月〜21年9月の33カ月間、副市長は19年1〜2月の2カ月間が対象。民間企業のボーナスに当たる期末手当と退職手当の算定には反映しない。
 職員の処分では、建設部長1人と同部課長2人を22日に訓告処分とした。
 市の意思決定過程の行政資料がほとんど保存されていない点に対しては、19日に市訓を全職員に発令し、公文書管理条例の制定を19年度末までに検討するよう指示した。


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