郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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中高一貫校
割れる両市懇談会の意見
酒田は場所・時期に異論、鶴岡ほぼ容認

 県教育委員会が示した鶴岡南高校と鶴岡北高校の統合校に、新設する県立中学校を併設した庄内中高一貫教育校(仮称)を開設する案などに対し、鶴岡、酒田両市では、市民の意向を取りまとめる懇談会が開かれている。鶴岡市の懇談会では原案をほぼ容認し、同時にさまざまな配慮を求めている。一方、酒田市の懇談会では、中高一貫校には賛成しつつも、鶴岡市への設置や開設時期に強い異論が出ている。(編集委員・戸屋桂)

庄内で進学校1校化を危惧

 酒田市の「庄内地区中高一貫教育校設置に係る懇談会」(会長・神田直弥東北公益文科大学公益学部長、委員9人)は経済団体、PTA、小中学校長などの代表で構成。10月25日に第1回、11月20日に第2回の会合を開いた。第2回では①庄内地区に設置すべきか②県が示した設置場所、開設時期をどう考えるか―について意見を出し合った。
 ①では「医者や研究者などを目指す子供が中高一貫校に進むことでさらに力を付け、日本をけん引する人材を育成できる」「子供の選択肢を増やすことになる」「競争力と順応力を伸ばすことにつながる」などと設置に賛成する委員が半数以上を占めた。一方で「今後の全国の動きの分析や東桜学館の状況を見てから判断した方が良い」などと疑問を呈する委員もいた。
 ②では「庄内の真ん中に建てると言うのも無理があり、原案の通り鶴岡市が現実的」「両市の中学生数を比べると、酒田市に建てる方が中学校への影響が大きい」と理解を示す委員がいた。
 しかし「高校再編と中高一貫校の設置を一緒にしているのが特異。田川地区の高校再編は田川地区でやればいい」「庄内の進学校は鶴岡南と酒田東が5クラスずつの10クラスあるが、中高一貫校は高校で7クラスになる。子供が減る中で、進学校が1校いらなくなるのではないかと心配している。庄内に中高一貫校1校となるなら、庄内の真ん中の余目辺りがいいのではないか」と反対の声も上がった。
 また、開設時期では「2024年は田川地区の高校再編に合わせて急がされているもので、もっと住民の理解が進んでからでいい」「2022年に東桜学館の1期生が高校を卒業する。その成果を見てからでもいい」などと、2024年までに開設しなくてもよいとする意見がそろった。


他の地区の声も聞いて

 鶴岡市の「鶴岡市内の県立高校再編整備に係る関係者懇談会」(座長・小川雅子山形大学地域教育文化学部教授、委員7人)は県教委が主催し、小中高校長とPTAなどの代表で構成。8月1日〜11月30日に計4回開き、①鶴岡南と鶴岡北の統合②加茂水産と庄内農業の鶴岡中央への統合③庄内地区への併設型中高一貫校の設置案―について意見をまとめる。
 第3回までは、①では「適正規模を確保し切磋琢磨する環境で、県内一の進学実績を示せるような高校を作ることができる」「少子化でやむを得ないが統合後のが学力差や多様な進路について丁寧に検討すべき」などと、統合を容認する意見が占めた。③では「選択肢が広がる」「子供の挑戦につながり、突出した才能を伸ばせるのは良いこと」と期待感を示した。
 一方で「中高一貫校と他の公立中学の違いを分かりやすく示す必要がある。地元中学を選択した生徒に不利益なしわ寄せが無いよう、教員の特別加配などが必要ではないか」「東桜学館でも中学から進級した生徒と高校から入学してきた生徒が混在することによる影響がまだ分からない」と懸念を示す声もあった。
 「周辺中学への影響など、課題もいろいろとあるので議論が必要。広い地区から通学することになり、田川地区だけでなく他の地区の声も聞く必要がある」などと配慮も求めた。


白紙撤回求め署名提出

 鶴岡市の市民団体「中高一貫校並びに田川地区の高校再編を考える市民の会」(荒井滋ら代表4人)は、中高一貫校計画案の白紙撤回を求め、吉村美栄子県知事宛ての署名2700筆を10月23日に提出。酒田市の庄内地区中高一貫教育校設置に係る懇談会の全委員に、「中高一貫校の設置計画案を白紙に戻し、庄内全体で検討し、市民合意の上で進める要請」書を渡した。


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