郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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新年度予算案
ごみ焼却場、処分場で過去最大
鶴岡市 前年度比11.9%増の731億円

 鶴岡市は2月27日、総額730億8700万円の2019年度一般会計当初予算案を、同市議会3月定例会本会議に上程した。予算規模は、市文化会館整備事業が最終年度となった17年度当初予算の687億9200万円を6.2%上回り、過去最大となった。ごみ焼却施設建設費49億377万円と一般廃棄物最終処分場の建設費19億9925万円を計上したことが要因。サイエンスパークの拡張や、鶴岡市消防本部藤島分署と屋内多目的運動施設などの整備も進める。市議会最大会派の新政クラブが一部予算案に反対の姿勢を示しているため、予算の成立には流動的な面もある。(土田哲史)

投資的経費は前年度の2倍

表
 19年度一般会計当初予算案は、19年度に始まる第2次鶴岡市総合計画に沿って編成した。同計画は、若者の定住支援・産業育成・まちづくりに横断的に取り組む「未来創造のプロジェクト」に加え、柱となる七つの大綱①暮らしと防災②福祉と医療③学びと交流④農林水産業⑤商工と観光⑥社会の基盤⑦地域の振興を設定している。
 主な歳出は、社会資本の整備に要し支出の効果が将来に残る「投資的経費」が126億8705万円で、18年度当初予算に比べ98.3%増とほぼ倍増した。
 市職員らの「人件費」、児童や高齢者・障害者・生活困窮者などを国や地方自治体が支援する「扶助費」、地方自治体が借り入れた地方債の元金や利子の支払いに要する「公債費」からなる任意に節減できない「義務的経費」は327億6080万円で同1.6%増。
 「物件費」「維持補修費」「補助費等」「積立金」「投資及び出資金」「貸付金」「繰出金」などからなる「その他の経費」は276億3913万円で同3.6%増。
 「投資的経費」は、普通建設事業費にごみ焼却場と一般廃棄物最終処分場の工事費計69億303万円を計上したことで、125億3975万円となり、同100.8%増の大幅増となった。
 義務的経費のうち、公債費は13年度に発行した市場公募債6億円の満期一括償還があることから、83億7296万円で同5.1%増。扶助費は子供の教育・保育給付事業や児童扶養手当支給事業などが増えて135億5711万円で同1.3%増。人件費は職員数と退職手当組合負担金の減少により108億3072万円同0.7%減とした。
 その他の経費が増額となった要因は、物件費が人事給与システムなどの改修業務委託料とスクールバスの運行委託料の増加により91億8243万円と同7.8%増え、維持補修費が漁港管理事業やし尿処理事業の業務増で13億1740万円の同9.6%増になったことなど。補助費等は、下水道事業会計負担金や鶴岡ふるさと寄付金事業の減少などにより、86億3862万円と同0.2%減とした。

駅前再開発や屋内運動場

 主な事業は次の通り。上の表も参照。
▼ごみ焼却施設整備事業(継続)49億377万円は、ごみ焼却場に着工し、20年度の完成を目指す。
▼一般廃棄物最終処分場整備事業(継続)19億9925万円は同処分場の建設工事と浸出水の下水道接続のための排水管整備に着手し、21年度中の完成を目指す。
▼公立保育園移転改築事業(継続)3億6132万円は南部保育園を旧朝暘四小跡に移転し、病児保育・一時預かり・発達支援室を設ける。20年度開園予定。
▼都市計画道路山王町本町線整備事業(継続)1億8720万円は、同線(川端通り)の一方通行解除に向け、用地の取得などを行う。
▼鶴岡まちづくりブランディング事業(継続)1億2678万円は、鶴岡駅前のジャスコ跡地の活用検討と、旧荘内病院跡地に予定する国の合同庁舎建設の駐車場整備や公共交通機能などで、土地の利用策を検討する。
▼鶴岡市茅原北土地区画整理事業(継続)8704万円は同事業を支援し、市が独自に交差点の改良や排水路の改修工事などを行う。同事業は21年度完了予定。
▼屋内多目的運動施設整備事業(継続)5052万円は、大山工業団地に整備する屋内多目的運動施設の実施設計を行う。
▼農業人材育成確保事業(新規)2647万円は、3月補正予算で取得・改修する旧いこいの村庄内を滞在型の農業研修拠点として利用し、市内外から新規就農者を受け入れるための勧誘活動を大学や企業と連携して行う。20年度からの受け入れ開始を目指す。
▼藤島分署移転改築事業(新規)1400万円は、老朽化した消防本部藤島分署の移転改築に向けた地質調査と実施設計を行う。
▼新産業創出地域基盤事業(継続)1297万円は、サイエンスパークを再拡張する調査などに着手する。
▼日沿道新潟県境区間IC周辺休憩施設整備事業(継続)539万円は、鼠ケ関インターチェンジ周辺に計画する休憩施設の運営基本計画を策定する。
▼多文化共生推進事業(新規)480万円は、旧アマゾン自然館と同民族館で展示した、山口吉彦元館長の資料約2万点を再評価し、活用する検討会議を開く。


市債11年ぶり100億円超

 主な歳入を見ると、市税は148億7306万円(歳入に占める構成比20.4%)で、18年度当初予算比1.1%増と見積もった。
 市民税は、雇用環境が改善していることから59億8733万円で同1.4%増。固定資産税は、地価が下落傾向にあるものの家屋の新築や改築が伸びていることから67億7219万円で同0.5%増。軽自動車税は4億1993万円で同5.8%増。たばこ税は7億7766万円で同1.1%増。入湯税は1億2143万円で同3.3%増。都市計画税は7億9451万円で同0.4%増と見込んだ。
 地方交付税は、国の地方財政計画による交付税総額の増加を見込むものの、広域合併の合併算定替えによる普通交付税の段階的な縮減などから211億6613万円(同28.9%)で同0.8%減と試算した。
 市が建設事業などの財源を調達するために行う長期の借金に当たる市債は、ごみ焼却施設と一般廃棄物最終処分場の整備費などにより100億100万円(同13.7%)で同62.8%増と見込んだ。市債が100億円を超えるのは11年ぶり。19年度末の市債残高は772億2300万円を見込み、18年度末残高見込みより20億5千万円2.7%増える。
 国庫支出金は98億7134万円(同13.5%)で同34.4%増、県支出金は51億2452万円(同7.0%)で同1.9%増、繰入金は28億9008万円(同4.0%)で同57.6%増、諸収入は27億9803万円(同3.8%)で同3.3%増と試算した。
 このうち繰入金には、市の貯金に当たる財政調整基金11億7千万円、公債費の償還に充てる減債基金6億7143万円、公共施設の整備や備品の購入に充てる公共施設整備基金5億9805万円などを取り崩して補った計28億9008万円が含まれる。
 これにより19年度末の積立基金残高は、財政調整基金が39億2800万円で18年度末残高見込み比22.6%減、減債基金が40憶7100万円で同10.3%減、地域まちづくり未来基金が2億1000万円で同54.9%減、その他の特定目的基金が45億1800万円で同12.5%減、地域振興基金は33億円で増減なしとなり、各積立基金の合計額は160億2700万円で同13.6%減と見込んだ。
 18年度補正予算一般会計では12億3815万円を計上した。旧いこいの村庄内を農業人材育成拠点施設に改修する農業人材育成確保事業4億2518万円や、くしびき温泉ゆ〜タウンの指定管理者(株)くしびきふるさと振興公社への貸付金850万円、北前船日本遺産推進協議会の加盟負担金50万円などを盛り込んだ。


いこいの村とアマゾン資料の活用
市議会最大会派が反対姿勢

 市議会最大会派の新政クラブ(小野寺佳克団長、市議15人)が、19年度当初予算案の「多文化共生推進事業」と、18年度補正予算案の「農業人材育成確保事業」に反対の姿勢を示しており、両事業の予算成立が流動化している。
 多文化共生推進事業は、アマゾン自然館とアマゾン民族館の資料再評価と有効活用策を検討し、農業人材育成確保事業は旧いこいの村庄内を市が取得し、農業研修拠点に改修するもの。
 市議会関係者によると、多文化共生推進事業は市か市議会のどちらかが修正案を提出する見込み。農業人材育成確保事業は、新政クラブの所属議員間で意見が割れており、付帯決議や自主投票となる可能性もある。予算案は22日の本会議で採決する。


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