郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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9月1日投開票 酒田市長選 市政の現状と課題[上]
地域経済の活力低下、随所に
人口、事業所、生産が大幅減少

 任期満了に伴う酒田市長選は、25日の告示(9月1日投開票)が2週間余りに迫り、現職の丸山至氏(65)と、元市長で衆議院議員を1期務めた阿部寿一氏(59)の現職と元職による一騎打ちの公算が強まっている。深刻さが増す人口減少にどう対応して歯止めをかけるのか、低迷が続く地域経済をどう立て直していくのかなど、対策の急がれる課題は山積している。市政運営の新たなかじ取り役を選ぶ市長選を前に、同市の現状と課題を各種の指標から探ってみた。(本紙取材班)

酒田、12年間に1.4万人減る

表
 酒田市が抱えている課題のうち、多くの市民が最も問題視してきたのは、市内の人口減少に歯止めがかからず、地域の活力が大きく失われてしまったこと。その深刻な状況は、酒田市を含む県内人口上位8市の推移にはっきりと現れている =参照=。
 県が毎年まとめている「山形県の人口と世帯数」によると、酒田市の2018年10月1日現在の人口は10万2353人で、市町村合併した約1年後の06年同日から1万3950人12・0%減と大きく減った。
 酒田市を除く県内人口上位7市の同期間の人口増減率を見ると、新庄市12・0 %減、鶴岡市11・6%減、米沢市10・2%減、寒河江市6・9%減、天童市2・7%減、山形市1・8%減となっている。東根市は3・9%増と唯一増えた。
 県内主要市の中で、人口減少率は酒田市が新庄市と同率で最も高く、鶴岡市、米沢市、寒河江市、天童市、山形市の順となっている。  関連して人口減少数は鶴岡市の1万6420人減が県内主要市の中で最も多く、以下酒田市、米沢市9433人減、新庄市4857人減、山形市4616人減、寒河江市2999人減、天童市1723人減が続く。鶴岡市では毎年約1368人、酒田市では同約1163人が減った計算になる。
 人口減少率と人口減少数はともに庄内地域の酒田、鶴岡両市が上位を占めており、県内主要市の中でも急速なテンポで人口減少が進んでいる。
 こうした現状に伴い酒田市の人口構成も大きく変化している。18年10月1日現在の総人口に占める年少人口(0〜14歳)は1万1055人で割合は10・8%、生産年齢人口(15〜64歳)は5万5130人で同54・1%、老年人口(65歳以上)は3万5778人で同35・1%となっている。
 12年前の06年同日との構成比の変化を見ると、年少人口は4596人減り13・5%から2・7ポイント減、生産年齢人口も1万4602人減り60・0%から5・9ポイント減となった半面、老年人口は4858人増え26・6%から8・5ポイント増と、少子高齢化が確実に進んでいる。

生産年齢、年少人口が減少

 12年間の生産年齢人口の減少数を、県内人口上位7市と比べると、山形市が1万6973人減で最も多く、以下鶴岡市1万6066人減、酒田市、米沢市9780人減、天童市5059人減、新庄市4348人減、寒河江市3718人減、東根市566人減の順だった。
 生産年齢人口は労働力と購買力の双方の中核を占めるため、労働力不足や地域の活力低下を招くほか、住宅や自動車、家電製品など耐久消費財の需要が落ち込み、地域経済に打撃を与えかねない。
 また、12年間の年少人口の減少数を、県内人口上位7市と比べると、鶴岡市が5232人減で最も多く、次いで酒田市、以下山形市4719人減、米沢市2940人減、新庄市1863人減、寒河江市1177人減、天童市1132人減、東根市19人減が続いた。
 特に深刻なのは出生数が大幅に減っていること。17年10月1日〜18年同日の1年間の酒田市の出生数は570人。05年10月1日〜06年同日に比べ278人32・8%減っている。
 この間の出生数の減少数と減少率を、県内人口上位7市と比べると、鶴岡市が378人33・3%減で最も多く、次いで山形市が324人14・8%減、以下酒田市、米沢市228人31・0%減、新庄市125人34・9%減、寒河江市103人26・5%減、天童市70人11・6%減、東根市14人3・2%減が続いた。出生数の減少数と減少率は鶴岡市と酒田市がともに上位を占めており、今後さらなる小中学校の統廃合や高校の規模縮小は待ったなしの課題となりそうだ。


県内での優位性薄れる

 急速に進む人口減少を背景に、かつては県内随一といわれた産業都市としての活力も低下している。
 県の調べによれば、16年6月1日時点の酒田市の事業所数は計5615カ所で、7年前の09年同日から1001カ所15・1%減った。市内の事業所で働く従業者数も、16年6月1日時点で4万8486人と、5万4629人だった09年同日から6143人11・2%減少した。
 7年間の事業所数の減少率を県内人口上位7市と比べると、米沢市13・3%減、鶴岡市13・2%減、寒河江市13・2%減、新庄市11・3%減、山形市10・2%、東根市8・5%減、天童市6・1%減だった。酒田市の減少率は県内人口上位8市の中で最も高く、減少数も山形市に次ぎ2番目に多いなど、同市の生産活動を含めた産業力は勢いを失っている。
 実際、酒田市の15年度の市町村内総生産(市町村内の経済活動で生み出された付加価値額)は4150億円と、4336億円あった9年前の06年度に比べ186億円4・3%減り、同市の生産規模が縮小傾向にあることを裏付けた。
 関連して酒田市の15年度の市町村民所得(雇用者への報酬や企業の利潤など)は3169億円で、06年度に比べ77億円2・4%の減少。半面1人当たり市町村民所得(市町村民所得を総人口で割った値)は273万円と、06年度に比べ23・4万円9・4%増えた。
 酒田市の1人当たり市町村民所得は県内35市町村の中で、06年度は東根市、山形市、米沢市、天童市、寒河江市に次ぐ6位。15年度も順位は変わらず、県内市町村の中での経済的な優位性も薄れてきている。
 人口減少問題への対応や産業振興、企業誘致や地場企業の育成による雇用の場の確保は、酒田市にとって早急に成果を出さなければならない課題となっている。


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