郷土の未来をつくるコミュニティペーパー(山形県庄内地方の地域新聞)
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本紙単独インタビュー
市民との意見交換会を新設
鶴岡市議会議長 本間新兵衛氏 抱負を語る

 鶴岡市議会の新議長を選ぶ市議会臨時会が11月11日に開かれ、自民系最大会派・新政クラブの本間新兵衛市議(62)=山五十川が新議長に就任した。本間議長は本紙の単独インタビューに22日、同市役所で応じ「市の重要事業はできるだけ早い時点から説明してもらう」「議員のなり手不足に議員の処遇についての議論が必要」「市民に議会へ関心をもってもらうために意見交換会を開く」などの考えを示した(土田哲史)

処遇議論し、なり手確保を

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インタビューに答える本間新議長

――議員のなり手不足が全国的に問題になっている。鶴岡市議会でも特別委員会で議員定数などを検討しているが、なり手不足の問題をどのように捉えているか。議会への関心を高めてもらうための方策を考えているか
 2017年の前回鶴岡市議選は定数32人に34人が立候補したが、人口の割に2人のみ超過というのはいかがなものかと正直思った。前回の市議選はなり手不足の兆候だと感じた。
 議会は何をやっているのか分からない、という声をよく聞く。我々に責任があるが、議会はどんなことをしているのか、分かりやすく市民に語りかけ、情報発信をすることが大切だ。
 議員の処遇については、「議員年金もあるし退職金ももらえていいよね」と言われることがある。これはどちらも無い。全国市議会議長会が厚生年金を議員にも適用したらいいのではないか、という運動を繰り広げている。これには非常に多くの議論があって、議員優遇ではないか、自由な時間に登庁している議員の厚生年金に税金を使っていいのか、ということが議論になっている。若い人たちに仕事を辞めてまで議員になろうと覚悟をしてもらうには、処遇も考えていかなければならない。
 夜間議会や日曜議会は効果のある議会もあるようだが、雑誌などを見るとあまり効果が出ていないところもある。一時的に傍聴者は増えるが継続しないという実態がある。
 私がやりたいのは全議員が参加する市民との意見交換会。この仕組みを議会内でしっかりと作って実施に結びつけたい。在任中の2年間で最低限、これだけはやるつもりでいる。例えば常任委員会単位でやるなど、これから制度設計を進めていく。議会報告会は一方通行だが、意見交換会は市民と双方向のやり取りができる。いただいた意見の処理をどうするのかも制度の中にしっかりと位置づけたい。
 議会に関心を持ってもらうために市議会広報公聴の機能を高めることも重要。市議会のライブ中継では、インターネット中継に加えて昨年4月からユーチューブでの中継も始めた。これはほかの議会ではあまりやっていない。ホームページもリニューアルしてカレンダーを導入し、議会の活動を分かりやすくした。市民の議会モニター制度もほかではあまりやっていないはず。モニター20人を委嘱して議会へのさまざまな意見を聞く会議を開いたり、アンケートに答えてもらったりしている。
 読んでもらえる議会だよりを作ることも必要だ。文字がズラズラと書いてあるだけでは読まない。ツイッターやフェイスブックなどSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用も検討させたい。若い人に関心をもってもらう効果があるのではないか。

監視機能は低くない

――鶴岡市文化会館の建設過程を巡り、市議会は3月、市に公文書の管理や議会と市民への十分な事前説明を求める決議文を全会一致で議決した。しかし、市民の中には市議会の監視調査能力が低いとの意見もある。また、ごみ焼却施設や最終処分場の整備が今後本格化するが、大型建設事業にどう対応していく考えか
 議会で活発な議論がされているので、鶴岡市議会の監視機能が低いとは思っていない。ただし、文化会館ひとつを捉えると、そのプロセスには非常に紆余曲折があった。最大会派であった我々の会派内でも相当の議論をして、付帯決議を付けた(17年3月定例会で契約額の圧縮や市民への丁寧な説明を求める付帯決議を賛成多数で可決)。一面だけを捉えると監視機能が弱いと言われるが、各議員の議会に臨む意識は高い。
 今後の大型建設事業については、文化会館の問題があったため、その後の執行部とのやり取りで大型建設工事の事前協議ガイドラインを作った。これをしっかりと履行していく。重要事業は建設だけでなくさまざまにあると思うが、これについてもできるだけ早い時点で説明をしてもらうように話をしている。執行部は案が固まらないとなかなか話をしたがらないが、そこをどういう形で説明を受けるかは今後の課題と考える。


新特別委員会は設置せず

――鶴岡市は広域合併で全国的にも広い面積の自治体となり、中山間地も多い。議員定数は合併前には合わせて111人いたのが、現在は欠員2人で30人。住民へのきめ細かな説明や住民の声を拾うことはますます重要になっていると思うが
 先ほど述べた意見交換会でどれだけ意見が拾えるか。大事なことは個々人が自己研さんに励んで議員としてのレベルを上げ、能力を十分に発揮することだと思う。これは市民に付託されていることだと思う。
――鶴岡市の現状と課題をどのように認識し、議長として課題解決のために新たな特別委員会などを設置する考えはあるか
 新たな特別委員会の設置は今のところ考えていない。現在、鶴岡市議会には4つの特別委員会(高速交通等対策、議会改革、人口減少・地域活性化対策、議員定数等検討)がある。これだけでも議員には相当な負担がかかっているが、それでも一生懸命にやっている。
 鶴岡市の課題はやはり人口減少と少子高齢化、それから地域の活性化だ。各分野の担い手不足も深刻。農業などの一次産業だけでなく、建設、製造業でも足りない。人口減少については特別委員会で2回ほど市長に提言している。委員も一新し、これをもっと掘り下げるためにこれから相当な調査が行われるはず。その活動に期待している。
 議員定数等検討特別委員会でも来年9月をめどに最終報告を出す。議員定数だけでなく、処遇についても幅広く議論されると聞いている。
 高速交通等対策特別委員会では、日本海沿岸東北自動車道の県境部分開通、庄内空港滑走路延長、羽越本線高速化と最終的には羽越新幹線の実現につなげることを目標に活動している。


企業誘致、高速の予算増も

 農林水産業では売上に結びつくブランディングが必要だし、付加価値を付けて6次化を図らなければならない。観光では日本遺産の活用とインバウンド対策。食文化も観光や地域文化にどう結びつけていくか。
 鶴岡サイエンスパークを核とするバイオ産業も製薬会社などの企業誘致に結びつけていかなければならない。既存企業も中央工業団地などでは設備投資がしたくても用地がないという。企業誘致は古いという論者もいるがそうではない。地元に企業がないと若い人は残らない。私も東根大森工業団地のカシオ計算機に勤めていたが、大森工業団地は国内の大手企業が張り付いていたので、東根、山形、寒河江、新庄の工業高校のほとんどの高校生が就職にきていた。だから内陸は県内定着率が高い。鶴岡にも企業はあるが、企業の選択肢を広げるという点で企業誘致は大事な視点。
 高速交通も日沿道はとにかく予算をつけてできるだけ早く完成してもらう。
 災害対策も重要。鶴岡は東北で最も広く、山奥でも人が住んでいる。そういう人たちを市中心部に移してコンパクトシティを目指すべきという論者もいるが、実際には住んでいる人はそこから離れられない。公共交通や福祉の充実はもっと図るべき。今、生きている人を守るのは政治の基本。
 橋も840本あるが耐用年数は50〜60年といわれていて老朽化してきている。道路、上下水道、公共施設も同じ。人口が減ったから今までの橋はいらない、という議論はできるだろうか。維持に必要なお金はどうすると言われるとこれも難しい問題。


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