酒田市
屋内スケート場の整備を中止
県営施設の山形市検討を受け
矢口明子酒田市長は5日の定例記者会見で、県が整備を検討している県営屋内スケート施設の庄内空港(同市浜中)周辺への誘致を前提に、市が旧松山中学校体育館(同市字総光寺沢)を改修して設ける方針だった仮設屋内スケート場の整備を中止する、と発表した。
その理由に▼8月22日の県屋内スケート施設整備検討会議第2回会合で「公共交通機関でアクセスできる村山地域の都市部に整備する」との方向性が示された▼県と山形市が10月10日、県営屋内スケート施設・武道館・体育館の3スポーツ施設の整備に向けた検討を共同で進める、と発表した―ことなどを挙げた。
その上で「県営屋内スケート施設の誘致を断念し、仮設屋内スケート場の旧松山中学校体育館への整備を中止することについて、大変心苦しく、申し訳なく思っている」などと述べた。
会見に臨んだ矢口市長
仮設屋内スケート場の整備は、市が本年度から進めていた。市は同校体育館の改修に向けた設計委託費1100万円と、駐車場を整備するための校舎解体費2億3200万円(2カ年で計5億8千万円)を、それぞれ予算化した。
6月には、吉村美栄子県知事に「県営屋内スケート施設の酒田市への整備」を求めた要望書を提出。同施設が整備されるまで、同校体育館を改修し、暫定的に仮設屋内スケート場として使う方針などを記した資料も、県知事に提出していた。
設計委託業務は2割程度進んでいたが、7月の大雨被害を受けて停止していた。
会見では、県が立地場所を決める前に仮設屋内スケート場の整備費用を予算化したことなどを含め、見通しに甘さがあったのではないかとの問いに、矢口市長は「県営屋内スケート施設が誘致できたとしても、整備されるまで冬季の子どもの遊び場を確保したかった。何とか間を置かずに造りたいとの思いから、そういう進め方をした」と説明した。
そして「被災地の復旧・復興を最優先し、同校体育館の整備と校舎解体は、復興後に改めて関係団体と協議をしながら再検討したい」と述べた。
整備の中止に伴い、設計委託費で損失が生じるのではないのかとの指摘に、堀賀泉市教委教育次長は「費用は現在調整中で、校舎解体費と合わせ12月市議会には示したい」と話した。
複数の市民は「損失が生じれば、税金を無駄遣いしたことになり、市長は責任を問われる。また関連予算を可決した市議会の責任も大きい」と口をそろえる。
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