任期満了に伴う鶴岡市長選挙は9月28日告示、10月5日投開票と間近に迫っている。3選を目指す現職の皆川治氏(50)=同市森片=に、前回選挙で皆川氏に120票差で敗れた元山形県議会議員の佐藤聡氏(57)=同市茨新田=と、会社経営者の喜多恒介氏(36)=同市荒俣=の新人2人が出馬の意向を示している。本紙では、有権者に3者の政策の違いを知る手掛かりにしてもらうため、独自にアンケートを行い、回答を掲載した。
皆川氏と、前回惜敗した佐藤氏の一騎打ちと予想されていたが、喜多氏が9月11日に出馬を表明した。自民、公明両党を中心とする保守系が支援する佐藤氏と、非自公系が支援する皆川氏に、喜多氏が割って入る構図となり、3氏の支持者と浮動票の行方が読みにくくなっている。
3氏は9月中に相次いで公約を発表した。皆川氏と佐藤氏は、市長選と同時に行われる同市議会議員選挙の候補者や国会、県議会両議員と連携。喜多氏も市議選候補者との連携を探りながら支持層拡大を図り、激しい前哨戦を展開している。
皆川氏は、後援会事務所を鶴岡市新形町に構え、8月2日に事務所開きを行った。前2回の選挙と同じく特定の政党に頼らず、市民党の草の根運動を展開している。
連合山形の推薦を受け、共産党が自主的に支援する。鶴岡市議選の立候補予定者のうち非自公系と連携する。今野美奈子、髙橋淳両県議も支援に回る。
芳賀道也参議院議員が事務所開きで「特定の政党のためでなく市民の幸せを考えてきた皆川氏を3期目に送り出そう」と支援者を鼓舞し、皆川氏と朝のつじ立ちも行い積極的に支援している。舟山康江参議院議員も、14日に東京第一ホテル鶴岡で開かれた女性の集いで激励した。
後援会は市内全域に約20ある支部組織を改めて強化した。支部ごとに会合を開き、それぞれに動きながら本部と連携し、支持の掘り起こしに懸命となっている。
総決起集会を25日に東京第一ホテル鶴岡で開く。第一声は午前8時半に同市文化会館前の予定。
無所属新人の佐藤氏は、政党の公認や推薦を受けない市民党を掲げるが、実質的には自民、公明両党の国会、県議会両議員と鶴岡市議選候補者、両党員と支持者が主に支援する。
今年1月の加藤鮎子衆議院議員の後援会会合で、市長選への再挑戦を表明し、5月に出馬会見を開いた。
後援会総決起大会を9月3日にグランドエル・サンで開き、約700人が参加した。加藤衆院議員、石塚慶、佐藤正胤両県議、樋渡啓祐元佐賀県武雄市長が応援演説した。企業や団体の推薦状は9月20日までに約380枚を集めた。
ミニ集会「佐藤さとしと鶴岡の未来を語る会」を8月後半から10回ほど開いた。つじ立ちを毎朝行い、企業や支援者のあいさつ回りを続けている。
告示日は午前8時から善寳寺で必勝祈願と出陣式を行い、エスモールで第一声を上げる。各地の演説会に複数の応援弁士を呼ぶ調整を進めている。
9日の会見で、市の課題に財政の悪化や中心市街地と駅前のまちづくり、若者の流出、観光誘客などを挙げ「停滞か前進か。鶴岡の持つ底力と市民の力を信じている。困難だからこそ挑戦する価値がある。つるおかビジョンに共感を頂き、新しい鶴岡へ力強い一歩を踏み出していく」などと述べた。
無所属新人の喜多氏は岩手県釜石市生まれ、埼玉県所沢市育ち、㈱キタイエ(所沢市)代表取締役で、今年5月に鶴岡市へ移住した。事務所開きを20日に同市新形町で、決起大会を25日に同所で行った。つじ立ちを市内各所で毎日行っている。告示日の予定は18日現在検討中。
11日の出馬会見で「若さと子どもが増えていくサイクルの上に、にぎやかさや豊かさが加わっていく。食文化の世界一を目指すなど、大きなビジョンで鶴岡をより良くする仕組みづくりを行っていきたい。鶴岡で心からの豊かさや希望などを頂いた。愛する鶴岡を希望ある未来へつなげるために心血を注ぎ、精一杯がんばりたい」などと語った。